金糸雀《終始編》
□1章3 告白
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「あのね、私……」
フィーネは後ろ手に持っていた包みをアローンに差し出す。
「…僕に?」
「……うん」
アローンはフィーネから包みを受け取り、中を見れば目を見開きフィーネをまっすぐ見た。
「……これ……絵の具と塗料?」
「うん…物を使うなんてやっぱり、ダメだけど、私……ね」
フィーネはペンダントを握り締めながら、涙を流しながら伝える。
「アローンが、……好きなの……」
「え……?」
「…幼なじみとか…家族とか…そんなんじゃなくて、アローンを一人の男の人としてみてて……」
フィーネは精一杯思いを伝え、驚いているアローンの手と絵を見て言う。
「アローンの筆を持つ手が好き…絵を描く姿が好き…
後、アローンの清くて優しい心が…大好き……っ……?」
フィーネは最後はどこか恥ずかしそうに言えば、アローンはぎゅっと勢いよくフィーネを抱き締めた。