鬼行文
□泣いた平助赤鬼。
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恐れられている鬼ですが、仲良くしてくれる人間がいないというわけではありません。
「よっす、左之鬼!!今日も真っ青だな!」
「るせーよ新八。」
彼の名前は永倉新八。
唯一 鬼と仲良くする酒屋さんです。彼がもってくる酒とつまみと色恋話が青鬼はいつも楽しみにしています。
永倉さんは赤鬼と面識がありますが、あまり赤鬼は永倉さんを好いてはいないようです。
何故なら、永倉さんが赤鬼を小馬鹿にしすぎるからです。
「おっ弱虫赤鬼もいるじゃねぇーか!!」
「オレは弱虫じゃない!!」
「左之鬼ー!今日は旨い焼酎を持ってきてやったぜ!!」
「ありがとよ」
屋根から飛び降りた青鬼は永倉さんを家へ入れました。
すると振り返り赤鬼に忠告しました。
「悪いことは言わねぇ。人間と関わるのは、」
「左之鬼さんだって人間と仲良くしてんじゃん!!」
と、つい怒鳴ってしまいました。
青鬼は溜め息を吐き、続けます
「皆が皆、新八みたいに良い奴なわけじゃねぇ。それはお前ぇだってよく解るだろ?」
「………るさい」
「傷までして交流する必要なんてねぇよ」
「うるさいっ!!!オレは鬼だ!!、傷は治る!!!友達になる!!!!」
バターン!!
家の扉を勢いよく閉めてしまいました。
一部始終を見ていた永倉さんが窓から微笑みかけます。
「気にすんなって。第二反抗期だよ。」
「だったらいいけどな。……」
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