鬼行文

□私と着物と驚異なる殺気。
3ページ/4ページ























「もし他の着物が良くなったら、私に言ってね♪念のために違う色の着物も置いていくわね?」








「えっいいの??」








「もらってくれちゃって構わないから!」






「お千ちゃん…!!本当にありがとう!」






「いいのよっそれじゃあまたね、千鶴ちゃん!」







千は笑顔で雪村を抱き締め去っていった。雪村は千が見えなくなるまで門に立って頭を下げていた。







「もらっても構わないって、すごいお金持ちなのかな?」







「わぁ!!…ってまた沖田さんですか…」






「それにしても綺麗だったなぁ。君の着物姿。」






「えっ…?」







「雅美女みたいでさ。」






「そそそんなことないですよ!!!!」





急に後ろから声を掛けてきたのは羽織を着た沖田だった。
先程 言っていた巡察だろう。









「総司…雪村と話している暇など無いはずだか。」






と、そこには斎藤が。
雪村は突然現れた斎藤に驚きすぎて声も出なかった。斎藤は雪村に対する殺気を醸し出している。鬼の副長を思い出してしまうような、般若のような面だ。雪村は何でなのか理解できた。それが痛いほど伝わってきた。






「あんたも総司の巡察の邪魔をしないでくれ。」







「す、すみません。斎藤さん」







(でも斎藤さん、それが理由で怒ってる訳じゃないよね)







斎藤は機嫌を直すことなく沖田の手を握り巡察に行った。
強引と思われるだろうが隊務だから仕方が無い。沖田は小声で雪村に、ごめんねと言い他の隊士を連れて斎藤の後をついていった。雪村は二人を見送り、自室に戻ったのでした。









end.→作者からの説明(読んでも読まなくても構いません)
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ