鬼行文
□俺と風紀と誓いの場所。
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朝。駅のホームに電車が来た。
社会人や学生が忙しく通勤する時間帯だ。一人の少年は立ちながら本を読んでいる。その生徒の名は斎藤一。とある男子校の風紀委員長だ。彼はまだ高1だが一部の生徒からの要望により、務めている。彼のチェックは厳しく一分一秒、遅れるものなら単位を減らすという。だから彼は朝早くに学校に通っている。
だが、そんな完璧な彼にも秘密が。
「あれっーまた恋愛小説?」
「!、総司っ!!?」
「『前にどこかで逢いませんでしたか?
だとしたら運命ですね』…って嘘くさ。」
「や、やめろ!!!」
「本当にベタだね。」
クスクス笑って斎藤の恋愛小説を取り上げた。
彼の名は沖田総司。剣道部で一番強い。
だか、もう一つだけ秘密が。
「ユウヤを馬鹿にするんじゃない!!!」
「ねぇ一くん。だとしたら僕達も…」
グイッと手を引き顔を数センチのところで止めた。ちょうど電車が来て、聞こえてくるのは沖田の声と自分の心臓の音。
「総司……!」
「“運命”だよね??」
「!!!」
もう一つの秘密は沖田との交際。
「ほら、電車乗るよ?」
斎藤が唖然としたのを笑う沖田。
二人は電車に乗った。
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