Short Story

□地獄を覗きに行かされました
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地獄を覗きに行かされました
[プロローグ]

※復活×鬼灯の冷徹
※骸の弟子







「全くダメですね」

『なっ!?』






パイナップル師匠に言われたとおり、火柱を幻覚により生み出すも、その一言でバッサリ切られた。

結構いい線いってたと思っていたため、精神的ダメージはなかなかに大きい。






「今のレベルでは、有幻覚など夢のまた夢でしょう」






グサグサ刺さる言葉の槍。

ため息混じりに言われたことに、少しムッとした。


確かに私は術師としてはまだまだだろう。だからこそ、日々努力をしてきた。基礎体力向上から、純度の高い炎を出すための集中力。

そしてリアリティの追求。


だが、私に欠けていて、骸さんにあるものは、きっとそこなのだろう。当然師匠である彼が、その点を理解していない訳もないだろう。


そんなニュアンスを含めて言った言葉が、そもそもの発端になるとは、この時の私はこれっぽっちも考えていなかった。





『骸さんは地獄の火柱ってやつを見たからじゃないですか』

「……そういえば、その手がありました」





このままでは、あのカエルくんに馬鹿にされる…と思い悩み始めた瞬間に

カチャ

と、現代日本では聞く外すのない効果音が聞こえた。





『え、と…骸さん?』

「なまえ、今から地獄へ行ってきなさい」

『……はい?』





笑顔で拳銃を向けたパイナップルは、サラッといつも以上に変なことを言った。





「臨死体験ですね。まぁ、案外簡単に帰ってこれますから、安心して地獄の業火について学んできなさい」

『…いやいや、骸さん待っ…!』

「なまえ…




Buon viaggio」





パァッン…

と、頭の中を乾いた音が響いた。



地獄を覗きに行かされました

ついでに「行ってらっしゃい」が「逝ってらっしゃい」に聞こえました…

To be continue…

ーーーーーーー

普通の行ってらっしゃいはCiaoですね。
Buon viaggioは一般に旅行者に言います。

イタリア語は条件法あたりが苦手です…

2014.12.21

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