Short Story

□過去拍手
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《皆無•労働基準法》(仮題)





並盛中学校の応接室。

ここには、まさに鬼畜を体現したお人が君臨する、言わばラスボスの住処だ。

日々言い渡される書類整理。まさにボロ雑巾になるまで使われるとはこのことだ。


右手はほぼ確実的にペンだこのオンパレード&腱鞘炎だし、疲労は溜まりに溜まる。



風紀委員会にも労働基準法が欲しい…



もしも、この風紀委員会が会社にでもなれば、絶対に労働基準監督官にブラック企業の烙印を押されると思う。


…まてよ。あの委員長だぞ…

例え風紀委員会がそのまま企業化したところで、何様俺様雲雀様がそんなヘマをするはずもないし…それ以前に、裏社会の一部と化している可能性の方が高くないか…?


……まあ、実際に委員会が企業になるあんて有り得ないし、仮になったとしても、即刻退職願…というか、入社すらしないか!


という考えに落ち着いて眠りについたのが、かれこれ30分ほど前だっただろうか。

この部屋の日当たりの良さに加えて、疲労困憊状態。だから、凄く眠くなるのは、至極当然だと思う。


別に私が昨日ドラマを見て、テンションが妙に上がり、なかなか寝付けなかったなんて、そんな理由ではない。断じて。


それにあの委員長は現在見回り中。だから私は寝ていたわけで…






「…何をそんなに驚いているんだい?」







目を開いた瞬間に、鼻が触れそうな距離にいる黒髪のイケメンさんに言葉を失ったのは仕方ないと思う。






「僕のそばでうたた寝なんかして…ホント君は、いい度胸してるよね」






ふう、と溜め息をつきながら離れ、腕組みをする雲雀さん。


って、いつ帰って来たんですか。


私は雲雀さんがいない間に、書類整理で酷使されぬかれた身体を少しでも休ませようと仮眠をとったに過ぎないのに。


この言われようは何?






「どんな目に合うかわかっていたはずだろ?」

『……そんなこと言われましても』






爆睡してしまったのは仕方ないし、ましてや私は、雲雀さんみたいに葉の落ちる音で目を覚ますほど神経過敏でもない。

まさか、気配で気付けとおっしゃるのだろうか?


それに、仮に私が爆睡していたところで、何が起きる?

変な輩に捕まって人質とか?


いやいや、私に人質なんて価値はないに等しい。むしろ雲雀さんは、きっと私を踏み台にするはず。

うん、そうだ。絶対そうだ、と頷いていると、雲雀さんは何かハッとしたような顔で私に詰め寄ってきた。




「もしかして…」

『…もしかして?』





目を瞬かせていると、雲雀さんはニヤッといやな笑顔で近いて、耳元で囁いてきた。






「悪戯されたくて、わざとやってる?」

『っ、有り得ません!!』



誰か私を労って!

End
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ドラマ・ダ○ダリ○が最終回かぁ…

〜2014.10.06
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