Short Story

□いい暇潰しにはなったかな
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目の前には今日のお目当ての水族館。


だけど…


この疲労感はなんだろう……。







*******







予想に反して水族館を訪れた人は少ない方だった。


私としてはかなり嬉しい。

群れるのが嫌いな雲雀さんのストレスは少ないに越したことは無い。じゃないと、さっきみたいなのが犠牲者になる。
(まぁ、あの男二人は雲雀さんを知ってて喧嘩を売ったのだろうから、仕方がないかな…)







『雲雀さん、ペンギンショーですって!見に行きましょう!』

「……」






受付でもらった館内パンフレットを指差すと、雲雀さんはチラッと見ただけでスタスタと歩き始めてしまった。
置いてかれないようについて行くと、順路からしてペンギンショーが予定されているエリアに向っていた。



雲雀さん、意外と楽しみにしてる…?



ヒバードのこともあるからか、こういう動物は苦手でもなければ、群れにカウントされないっぽい。


ここに誘って(実際は少し違うが)よかった…


それでも、本当は雲雀さんの恋人として、雲雀さんの誕生日を過ごしたいなんて思ってる私は、ワガママでしょうか?






「なまえ、あの岩場」

『?……!か、可愛いっ!!』







気付けばペンギンショー特設ステージの近くにいた。


雲雀さんの指差す先には、フワフワでモコモコなペンギンさんが列を成して出てくるところだった。





『うわぁぁ…ギュッてしたいくらい可愛いっ!!』






ペンギンショーは中々な盛り上がりを見せたと思う。普段オットセイがやっている内容を、ペンギンさんもやってみよう!というものだったのだが、オットセイ以上に小回りのきくペンギンさんは、かなりコミカルな漫才をしているかのようだった。


ショーは30分程度で終わるのだが、15分もしないうちに館内に戻った。

人が少ないといっても、群れてることに変わりはない。

それにショーの間、館内をまわる人は明らかに少ないし、売店でもスムーズに見てまわれるとも思い雲雀さんに提案した。


本音を言えば、もう少し雲雀さんの隣で見ていたかった気もした。






「なまえ?」

『っ、はい!』






ボーッとしてたのを不審に思ったらしい雲雀さんに取り繕うように質問をした。






『雲雀さん、今日…











楽しかったですか?』






雲雀さんは、一瞬目を見開いたけれど、何を思ったのか、口角を薄っすらと上げて一言…



いい暇潰しにはなったかな



((それはここに来る前の乱闘のことですか?…なんて、聞けない))

End

ーーーーー

きっと乱闘込みだよ←

ペンギンさんの登場は小説版の影響かな(笑)

そして誕生日過ぎてる…すみません!!
でも次でラストですので!!!!


2013.05.07

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