Short Story
□一緒に行ってあげてもいいよ
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5月5日…GWの一日。
そして、我等が風紀委員長で私の想い人である雲雀恭弥さんの誕生日でもある。
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『どうしよう…』
手にある二枚のチケットをヒラつかせて溜め息を1つ。
世間は連休と言うけれど、風紀委員に入っている(武術なんて、習ってるんじゃなかった…)私に休みなんて関係ない。
まあ、おかげで好きな人である雲雀さんを拝めるんですけどね…
でもやっぱり休みだもの…何処かに行きたいという思いはある訳で。
それに今日は雲雀さんの誕生日。ささやかでもお祝いはしたい。
けど、群れるのが嫌いだと知っててここには誘えないよね…
無難に応接室でラ・ナミモリーヌのケーキでお祝いかな。
『はぁあ…』
「なに溜め息なんかついてるわけ?」
『だって雲雀さんの…って、うわっ、ひ、雲雀さん!!!おかえりなさい!!!!』
「ただいま。…それより、僕が何?」
『いえ、なんでも…』
雲雀さんが応接室の扉を開けて入ってきたことに気づかないくらい考えていたらしく、椅子からずり落ちかける。
殆ど反射的に椅子にしがみつき、慌ててチケットを後ろに隠す。
そっと顔をあげれば、幾分呆れと怪訝の混ざり合ったような雲雀さんと目が合う。
「ねぇなまえ、今後ろに何か隠したよね?」
『見間違えでは…?』
「ふぅん。なまえは僕に逆らう気なんだ」
『そんな、滅相もないです!』
「じゃあ咬み殺されたくなかったら、早く出しなよ」
『……』
僕は別に今直ぐなまえと手合わせしてもいいけど、なんて言う雲雀さんに勝てるはずもなく、おずおずと後ろ手に隠していたチケットを差しだす。
「…何コレ?」
『水族館の無料招待券です。本当は雲雀さんと行きたかったんですが…雲雀さん、人混みなんて無理ですもんね…』
「なまえは行きたいの?」
『え、まぁ…』
でも無理だろうな…と頭を項垂れてた私に雲雀さんは言葉を直撃させた。
一緒に行ってあげてもいいよ
(本当ですか!?)
(見回りのついでに)
((つ、ついで…))
End
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タイトルは『確かに恋だった』〜上から目線な彼のセリフ〜よりお借りしました。
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2013.05.04