Short Story
□並盛幼稚園〜お昼寝事情
2ページ/9ページ
敷き布団を教室の端から端まで二列敷いたそこは、既に地獄絵図さながらであった。
もう寝てしまっている子、まだ眠くなくて走りまわっている子、またオモチャを引っ張り出してきた子…etc
他にもこんな子達が……
『ふわぁっ…』
大空組お揃いのオレンジ色のタオルケットを握りしめ、大きなあくびをしたなまえちゃん。
すると、右隣りに立っていた男の子が声をかけてきました。
「なまえ…ねむいの?」
『…うん、しゅごく…』
「ぼくも……いっしょにねよう」
呂律がまわってないのではなく、サ行が苦手ななまえちゃんに声をかけたのは、紫色のタオルケットを持った雲雀恭弥くん。
なまえちゃんの手をとろうとした恭弥くん……
「ぼくのて、つかまないでくれない?」
「くふふ、いやです。なまえ、ぼくとおひるねしましょう…」
…を阻むオッドアイの男の子、六道骸くんの登場に、恭弥くんは途端に不機嫌オーラを纏った。そんな恭弥くんを気にした風もなく、骸くんは恭弥くんの手をがっちりガードしたまま、なまえちゃんに手を伸ばす。
因みに、骸くんが脇に挟んでいるタオルケットの色は藍色。言わずもがな……
「何で組の違う二人がいるのー!!?」
「「うるさいよ(ですね)」」
綱吉先生の言うとおり、二人は大空組ではありません。
紫色は雲組、藍色は霧組です。
「自分の組に戻るよ、二人とも!」
「「いやだよ(です)」」
「それに、この組のやつだって、べつの組にいったよ」
「ぼくらがここにいたって、いいじゃないですか」
恭弥くんのいう“この組のやつ”に覚えのある綱吉先生は、一瞬にして言葉を失う。
少し考えたのち、綱吉先生は二人に釘を刺した。
「…おとなしく寝てくれよ?」
「あたりまえだよ。なまえ、いこう」
「まちなさい!なまえ、ぼくとおひるねしましょう!!」
「言ったそばから……」
…にも関わらず、またも口論が勃発。
額に手をあてた綱吉先生が注意しようとしたその時…
『わたしは…』
目をこすりながらも顔を上げ、口を開いたなまえちゃん。
もちろん二人は、速攻で口論をやめて、静かになまえちゃんを見ます。ここで綱吉先生の溜息が聞こえたのは、聞き間違えではないでしょう。
なまえちゃんの視界入り込んだのは、心なしかキラキラとした目でなまえちゃんを見つめる恭弥くんと骸くん。その後ろで、やっぱり盛大な溜息をつく綱吉先生。
さらに、何故か不安げな表情を浮かべているディーノくん、そして白いモコモコしてそうな枕を持った白蘭くんがいた。
あの子と一緒にお昼寝したい…
そうおもったなまえちゃんは、彼の元へとかけて行った。
その彼とは…
•右隣りの恭弥くん
→3Pへ
•左隣りの骸くん
→4Pへ
•不安そうなディーノくん
→5Pへ
•ニコニコしている白蘭くん
→6Pへ
•他の子をあやし終わった綱吉先生
→7Pへ
.