Short Story
□手に入らないのなら
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『あなた…誰?』
「クフフ…安心してください。僕はキミの『愛する人』ですよ、なまえ」
『愛す、る…人…』
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なまえを見つけたのは、黒曜中とランキングフゥ太を手中に収めてから、数日後でした。
これから落とそうとする地を自ら見るのも面白い。
そう思った僕は、適当な人物に姿を変えると、並盛へと赴いたのです。
欠伸が出てしまうほど平和ボケしている。
並盛の印象はそんなところでしょうか。マフィアがいるとは思えないような……ああ、最近ジャパニーズマフィアが潰されていたとか。
あのボンゴレに。
そんなことを考えながら歩いて行くと、見覚えのある顔。といっても、僕が一方的に知っているだけですが。
雲雀恭弥
孤独を好む“現並盛”の秩序。
そして、その隣…
みょうじなまえ。
群れをなすことは、即ち弱者であると主張するあの雲雀恭弥が、文句も言わず…むしろ、自ら望んで隣におく彼女に、興味を持たないわけがなかった。
ほんの些細な興味から、彼女について調べるようになった。
彼女について知れば知るほど、興味は姿をかえ、好意になっていたのだ。
柄にもなく、“もし、彼女に先に会っていれば…”などと思ってしまった。
たとえ僕が先に会っていたとして、彼女が見る世界は、とてもヘドが出るようなところになってしまうというのに。
あんな過去を、彼女に背負わせる必要などないだろう。
そしてついに、好意は独占欲を産んだ。
彼女に…なまえに触れたい。
雲雀恭弥に見せるような表情を、僕にも向けて欲しい。
けれど、なまえの心は僕に向くことなどきっと無いのだろう。こんな醜い世界に引きずり込んでいいわけがない。
こんな考えを、僕の支配欲は一瞬にして砕いた。
そうだ、
手に入らないのなら
(形だけでもいい)
(…なんて)
(ダメですか?)
End
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「隠し弾1 骸•幻想」を読み返した結果思いついた(笑)
私的には、骸さんは変態という名の紳士か狂愛に突っ走る人だと思います。
あのサンバをBGMに読んで欲しいな!←
ヒロインを助けに委員長は来るかな……なんて、ベタ過ぎです(笑)
うん、ネタわかる人から、コメ欲しいなw
2013.09.08