Short Story
□Milk or Tea
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変なところで出費したくないなとため息をつくと、当初の目的を果たすべく冷蔵庫のもとへ行く。はずが、腕を掴まれ、それは叶わなかった。ちなみに両腕。
「っ、危ない!転ぶって…!」
「手離せよ、カエル。なまえは王子が支えっから」
「嫌ですー。ベルセンパイが離して下さいよ。なまえセンパイはミーが抱き留めるんで」
人の頭上で、言い争いをしないで欲しい。というか…
「何で二人して腕掴むわけ!」
「なまえセンパイ何処に行こうとしてましたー?」
「冷蔵庫」
「…風呂入れって言ったのに?」
「だって喉渇いたから…」
任務疲れ+2人のせいでね!
「っわっ!」
心で悪態をついてたら、腕を解放された。だからって、2人同時にはなすことないんじゃない?
あとちょっとで、私の鼻と床が出会うところだったんだからね!
「仕方ないですねー。ミーが用意してあげるんで、ちゃっちゃとお風呂入っちゃって下さいー」
そういってフランはコップを棚からだした。
何でコップの入ってる棚を知ってるのかは突っ込まないでおこう。なんか怖いから…
「紅茶煎れときますんでー」
「ありが…?」
フランにお礼を言おうとした瞬間、目の前に差し出されたコップ。
中にはなみなみと注がれた白い液体。
「……牛乳?」
「そっ、王子のオススメ♪」
ベルにしては気が利いてるなぁ、と思いながらそれに伸ばそうとした手をカエル帽子に阻まれた。
「何やってんですか、堕王子が。ミーの邪魔しないでもらえますー?」
「邪魔してんのはお前だし。そこにいたらなまえが牛乳受け取れねぇだろ」
「……センパイ、そういう意味じゃないってことわかってて言ってますよね」
「さぁな♪」
ええと…とりあえず私には意味のわからない会話なんだけど;;
「ミーが先に用意するって言ったんですから、もちろんなまえセンパイはミーの煎れた紅茶飲みますよねー?」
紅茶のカップをずずいっと差し出して来るフラン。
「先に用意出来たのは王子の方だし。なまえはカエルなんかよりオレのが好きだろ?」
負けじと前に出て来るベル。
思わず一歩下がった私は悪くないはず…!
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