Short Story

□Milk or Tea
2ページ/3ページ


変なところで出費したくないなとため息をつくと、当初の目的を果たすべく冷蔵庫のもとへ行く。はずが、腕を掴まれ、それは叶わなかった。ちなみに両腕。



「っ、危ない!転ぶって…!」

「手離せよ、カエル。なまえは王子が支えっから」

「嫌ですー。ベルセンパイが離して下さいよ。なまえセンパイはミーが抱き留めるんで」



人の頭上で、言い争いをしないで欲しい。というか…



「何で二人して腕掴むわけ!」

「なまえセンパイ何処に行こうとしてましたー?」

「冷蔵庫」

「…風呂入れって言ったのに?」

「だって喉渇いたから…」



任務疲れ+2人のせいでね!



「っわっ!」



心で悪態をついてたら、腕を解放された。だからって、2人同時にはなすことないんじゃない?
あとちょっとで、私の鼻と床が出会うところだったんだからね!



「仕方ないですねー。ミーが用意してあげるんで、ちゃっちゃとお風呂入っちゃって下さいー」



そういってフランはコップを棚からだした。
何でコップの入ってる棚を知ってるのかは突っ込まないでおこう。なんか怖いから…



「紅茶煎れときますんでー」

「ありが…?」



フランにお礼を言おうとした瞬間、目の前に差し出されたコップ。
中にはなみなみと注がれた白い液体。



「……牛乳?」

「そっ、王子のオススメ♪」



ベルにしては気が利いてるなぁ、と思いながらそれに伸ばそうとした手をカエル帽子に阻まれた。



「何やってんですか、堕王子が。ミーの邪魔しないでもらえますー?」

「邪魔してんのはお前だし。そこにいたらなまえが牛乳受け取れねぇだろ」

「……センパイ、そういう意味じゃないってことわかってて言ってますよね」

「さぁな♪」



ええと…とりあえず私には意味のわからない会話なんだけど;;



「ミーが先に用意するって言ったんですから、もちろんなまえセンパイはミーの煎れた紅茶飲みますよねー?」



紅茶のカップをずずいっと差し出して来るフラン。



「先に用意出来たのは王子の方だし。なまえはカエルなんかよりオレのが好きだろ?」



負けじと前に出て来るベル。
思わず一歩下がった私は悪くないはず…!




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ