Short Story

□Milk or Tea
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《Milk or Tea》





ああ、らしくない。
今回の任務は、私にしては珍しく暴れてしまった。その分、いつも以上に疲れた。

こういう日は、何か飲んでさっさと寝るに限る!

ということで、ボスへの報告もそこそこに、任務で疲れきった身体を癒すべく自室へ行くと……



「「なまえ(センパイ)、オカエリー」」

「……」



問題児が2人、我が物顔で寛いでいた。





*******






「何突っ立ってんだよ、なまえ」

「わかんないんですかー?そりゃあ、堕王子なんかに出迎えられたのが嫌だからに決まってるじゃないですかー。ねー、なまえセンパイ?」

「んだと、このクソガエル」



……いやいや、私の部屋をさも自分の部屋であるかのように2人がいるからだよ。
ベルの投げるナイフをフランが見事に避けていくものだから、私の部屋の家具達が傷つきそうになる。凄く止めて欲しいけど、今の私には、任務の疲れで2人の間に立つほどの気力はない。



「…何で2人共、ここにいるの?」

「ししし、わざわざ王子が待ってて、嬉しーだろ?」

「なまえセンパイを待ってたのはミーの方ですー。ベルセンパイは引っ込んでて下さーい、ウザイんで」



フランの余計な一言が、乱闘を悪化させる。いい加減にして欲しいんだけど……



「それにしても珍しいですねー」

「ああ、王子も思った」

「?、何が?」



じゃれながら(?)二人はそれぞれの頬を指差した。自分の頬に手の甲を宛てがって拭う。そこにつく赤いものは、もちろん自分のものではない。



「お風呂入った方がいいですよー」

「てか、さっさと入れ」

「何で?」

「「ヤローの血を付けたなまえ(センパイ)を見たくないから」」

「……」



時たま思うのだが、本当はものすごい仲良し…



「うわー、堕王子とハモるとかマジありえねー」

「なら死ねよ♪」



…なわけないですよね……って、椅子がサボテンになってる!?
お願いだから家具を壊さないで…!



「2人共ストップ!いい加減にして!」



さすがにお気に入りの鏡台をナイフが掠ったのは、ショックが大きい。
ただでさえ任務で疲れているのに!二人のせいで更に疲れる……
サボテンと化した椅子は諦めるしかないみたい。


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