Short Story
□好きだからだけど?
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ついつい見てしまう貴方の右手…
いつもは銀色に輝くトンファーかボールペンが握られている。
男の人にしては色白で。
だけど骨張ってて、大きな手…
握れる距離にいるのに握れないのは、貴方とのキョリが遠いから…
*******
予想通り、売店にはほとんど人はいなかった。
ペンギンさんの人気は凄いなぁ…
ペンギンストラップにシール、ノート、ファイル…などなど、ペンギンさんを猛プッシュしている陳列棚を見て、思わず笑ってしまった。
「…なまえは何か買うの?」
『え、』
声のした方を振り向けば、私の顔を覗き込むかのように見てきた雲雀さんの視線とかち合った。
うわ、睫毛長い……
って、違う!
『いえ、私は…あ、そうだ!草壁さん達に何かおみやげでも…』
「……」
今日は雲雀さんの誕生日だというのに、私が買ってどうする!?
ここは風紀委員のみんなにお土産という妥当な答えをとったつもりだった。
言って直ぐに視線を逸らしたから、雲雀さんが不機嫌そうな顔をしただなんて、全く気付くことも出来なかった。
『おみやげも買いましたし、戻ったら…』
「なまえ」
誕生日会でも、開きませんか?と問おうとしたものの、雲雀さんの呼びかけにそれは叶わなかった。
『はい?なんですか?』
「これ」
『え…っ!?』
欲しそうに見えたから…とスズイッと私に押し付けてきたそれは、ペンギンさんのヌイグルミだった。
『で、でも、今日は雲雀さんの誕生日ですし…』
「…いらないって言うなら、捨てるけど」
『いります!!…あ』
思わず食い気味に返答した自分が恥ずかしくなり、みるみるうちに赤面していくのがわかる。
でも、雲雀さんが、捨てるなんて言うから…!!
「ほら」
『あ、りがとう、ございます。……でも、どうして、私に……?』
仕方無しとはいえ受け取ってから、質問して後悔が生まれた。
ただ、私のために買ってくれたんだっていう喜びに浸っていればいいのに……
ただの気まぐれ…わかってはいるけど、自分で自分を傷つけなければ、私は気が済まないらしい…
覚悟を決めて、雲雀さんの口をじっと見つめる。
「どうしてって……」
好きだからだけど?
(わかってます…ペンギンさんがですよね)
(何言ってるの?なまえが好きだからに決まってるでしょ?)
(ヘェ〜、私が好き…って、えええぇぇぇえ!?!?!?)
End
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雲雀連載ラストはハッピーエンド♪
…大遅刻ですね、すみません…
しかも、本文短いし、急展開だし、ほぼセリフばかりじゃないか?
何はともあれ、雲雀さん、ハピバ!!
2013.05.07
すみません、本当すみません!!(T_T)
まさかの雲雀さんの誕生日ラストを公開し忘れてたなんて…!!!
しかも、一ヶ月以上放置ですみません(−_−;)
今月、かなり忙しかったので……orz
私の誕生日に公開とか…f^_^;)
2013.06.24