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□雨時々曇りのち晴れ 〜謝罪〜
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別に、盗み見するつもりなんて無かった。
ただ移動教室の途中で丁度見てしまっただけで。
…なのに、離れない。
『またダブルス、組めると良いのぅ…』
そう言っていた仁王先輩の寂しげな顔が。
柳生先輩と仁王先輩がダブルス解消なんて愕然としたけれど、でも、よく考えれば当たり前の事だったんだ。
「すみません…」
離れない離れない離れない…
仁王先輩の寂しそうで、辛そうな顔。
幸村部長の腫れた頬。
「すみません…すみません…」
丸井先輩と話さなくなった仁王先輩。
敢えて避け合う幸村部長と真田副部長。
きっと、これからも、俺に味方する人は傷つく。
俺が居るだけで、部が割れる。
「…でも、きっと、許してくれないだろうな、部長……」
そっと、封筒を鞄の中にしまった。
―その封筒には、「 」の三文字