hate
□雨時々曇りのち晴れ 〜亀裂〜
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〜仁王side〜
「のぅ、柳生…」
廊下で見かけた彼に声をかければ、柳生が振り返る。
「……何ですか、仁王君?」
少しぎこちないが、ちゃんと返事をしてくれた事に安心した。
でも…
「ダブルス、解消せん?」
「……っ」
いつもはポーカーフェイスな彼の顔が、俺とのダブルスの解消ということに苦悶や悲しみといった表情を見せたことに嬉しさを感じてしまう。
「…此方につく気は、無いのですね?」
「あぁ、俺は赤也も幸村も裏切れん。それに…赤也を信じると決めたぜよ。」
「そうですか…。」
柳生が残念そうに眉を下げる。
「お前さんこそ、此処につく気は無か?」
「……友姫さんに暴行を加えた切原君を、許す訳にはいきませんから。」
「そーか…ほなら…」
「「ダブルス解消…ですね/じゃな。」」
「では…」
背を向けた柳生に一言。
「またダブルス、組めると良いのぅ…」
柳生は、無言で立ち去っていった。