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□雨時々曇りのち晴れ(立海/赤也嫌われ) 〜プロローグ〜
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「やっべぇ、遅刻だ!副部長にまた殴られる!!」
いつものように慌ただしく俺…切原赤也の朝は始まった。
その先にある地獄の始まり等、全く予感させる事もなく…。
朝練にはぎりぎりで間に合わず、せめて…と思い、本鈴の2分前に教室に入る。
(先輩達には後で謝っておこう。)
そう思いながら
「おはよーっ」
挨拶をして教室に入る。
だが、いつもと違い、返ってくる声は無かった。
代わりに、俺を見つめる幾つもの白い視線。
「えーっと…どうしたんだよ?」
「お前…自分でやっといて何だよその態度はっっ!!」
そう言って掴みかかってきたのは、いつもつるんでる奴だった。
「態度も何も…まじで覚えがねぇんだけど…」
「…お前なぁ!!友姫ちゃんに謝れよっ!!」
振り上げられた拳に思わず歯を喰い縛った時、聞こえてきたのは聞き慣れた甘ったるい声だった。
「止めて?切原君は悪くないよぉ、悪いのはぁ、告白を断っちゃった友姫だからぁ…」
美原 友姫…テニス部マネージャー。
正直、俺はこいつのことが苦手だった。
…て、何で俺が告白した事になってんだよ!?
「俺は違う!告白してきたのは美原の方…「言い訳すんな!」
違う、俺じゃない、違う………
視界の端に、ニヤリと嫌な笑みを浮かべる美原が映った。