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□雨時々曇りのち晴れ 〜説得〜
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思った通り、赤也は屋上に居た。

「赤也。」

「…何か、用っスか?」

赤也は俺の顔を見ようともしない。

まあ、当たり前だろう。

「退部届、悪いが受け取れないな。」

「…何でっスか!?」

やっと俺の方を向いた赤也の顔は、掴みかからんばかりの表情だった。

「逆に聞くが、何故お前が退部する理由がある?」

「何でって…そりゃ、分かるでしょう!?俺が居ると、部が割れるし、幸村部長にも仁王先輩にも迷惑かけるし……」

「あの二人は、迷惑だ等と思っていないだろう。」

そう言うと、赤也はそれに…と続けた。

「俺が居なければ、柳生先輩と仁王先輩もダブルス解消せずに済んだのに……」

「…お前は何か、悪い事をしたか?」

そう問えば、赤也が驚いたように目を丸くする。

「俺が信じていないとでも思っていたか?」

「でも…そんな素振り…一度も…」

「あぁ、見せていないからな。」

赤也の頭から?が見えるような気がしたから、

「これ以上部が割れても困るだろ?」

そう付け加えれば、赤也は目が回らないのか心配になるほどにぶんぶんと頷く。

「…赤也、何もしていないのに退部しなければならないなんて、理に叶わないと思わないか?」

「はい…」

「それに、これからの試合、勝ち進むにはお前が必要なんだ。よって、これは受け取れない。」

赤也に封筒を差し出せば、素直に受け取り、くしゃっと丸めてポケットの中に入れた。

「美原を見返してやろう。」

そう言ってクシャッと頭を撫でると、くすぐったそうに笑って返事をした。

「はい…!」
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