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□メープルの腕
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「りーくー」

「なーんでーすか」

後ろから声がしたもんだから振り向かないで返事したら突然の重み。
首元に巻かれた腕。

「へへ〜、なんとなくー」

どうせ真ちゃんに放置されたからこっちきたんだ。
真ちゃん構わないときは全くかまってくんないからね。

というか、
なんかすんごく頭撫でられるし。
すんげぇ手付き優しいし。
うわうわうわうわやばいこれトキメキポイント3P以上余裕。


「真ちゃんに放置されるなんて珍しいな。ついに飽きられたか」


真ちゃんも断じて高尾が嫌いな訳じゃないから構う時はちゃんと構う。
向こうが飽きたとしか考えられない。


「ばーか。俺がお前とくっつきたかったからきたんだよ。
無性にくっつきたい気分だったの!」


うああああくっそもうなんだよもう!
なにこの高尾うわぁ。


「なにそれ、女子かよ」


謎の女子力の高さには笑う。
ぶっちゃけあたしよりある。
悔しくはない。
女子力の高さで競った覚えはない。


「たまには、俺から甘えたかったりするんだよ」


頭を撫でる手がいつの間にかほっぺたをつねる。
ちょっと痛い。


「なんだよ、いたい」


抓った手が首元に擦りつく。




「俺、陸が居ないと死んじゃう」


顔無表情。
内心爆笑からの焦り。


あのwwww高尾がwwwww淋しがりやwwwwファーーーーwwww

とか思ってたらなんかぎゅっとされた。
これはマジで悲しいときとかマイナスな気分のときにやるやつだったきがする。



「うさぎ」


「うっせ・・・」


拗ねた。
完全に拗ねたこれは。




「そんだけ陸のこと大好きなの。それくらい分かれよばか」



ど う し て こ う な っ た !

この拗ね具合なんぞや。
すんげぇ拗ね方子供かおい。
そして謎のデレ。


「はいはい、ごめんちゃい」


適当にあしらったらまた更に拗ねる。
そう、知っててやってる。


「ばかばかばか」

「ごめんごめんごめん」

「りくなんてきらい」

「あたしもカズきらい」



「やっぱりうそ。」


この言い合いは馬鹿。
長いと10分やる。

今回は早かった。
多分最速かな。


「嘘。陸。だいすき」


ああもう。
泣きそうな声で言うなよ。
子供かお前。
女子かよお前。


「かずなりくんこどもみたいだね」

「だってすきなんだもん」


押し倒したくなるわこんなん。
後ろでよかったわ。
正面でこんなんだったら死にたいわ。



「・・・りくー、にやにやすんなよ」


「してないしてない」


くっそバレた。
無駄なとこでホークアイ使いやがって。



「すきってゆって」


「はいはいだいすきよ」



「もっとゆって」


「カズくん大好きよ」


「俺も」




この瞬間に死ねたらどれだけ幸せかしら。



メープルの腕
(殺傷能力お高めの糖度最高潮)

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