W
□花のかほり
1ページ/1ページ
「・・・あーぁ・・・・」 俺
「・・・寒ぃ・・・」 俺
「・・(珍しいな。まだ寝てる・・・。」 俺
「・・・おはよー」 暴
「おはおはー」 俺
「あれ?澪は?」 伊
「まだ寝てるぜ」 俺
「へぇ、珍しいな」 けま
「・・・・(だよなぁ・・・」 俺
「・・・・かーつーらーぎー・・・・」 俺
「・・・・ん?・・・なぁに・・・。
ゲホッゴホッ・・・」 澪
「風邪っぴきか」 俺
「ちょっとね・・・」 澪
「ホントにちょっとかよ。
俺より起床が遅い時点で異常気象」 俺
「なぁによ、そのドヤ顔」 澪
「ちょっと上手いこと言ったんじゃね、とか思って」 俺
「そう。まぁ、そうなんじゃない?」 澪
「・・・・なんか調子狂うな」 俺
「うちのことは大丈夫だから。
授業いってきなよ」 澪
「あぁ・・・」 俺
(廊下に出たとき、庭に生えていた草花が悲しそうに項垂れていたような、気がした)
(一はの教室襲来)
「よーっす!!(輝かしい笑顔」 俺
「あー!蒼空先輩!」 虎
「・・あら、土井先生は?」 俺
「出張でいませんよー」 乱
「まじかぁ・・・。
んー、まぁいいや。
暇な人、手ぇ挙げ!」 俺
「「「はーい!!」」」(全)
「・・・よし・・。
今から花摘み行くぞ!」 俺
「「「はー・・・・い・・?」」」
「・・・・!?」 澪
(でかい花瓶に花花花。
それふたつくらい)
「(なんでこんなに花あるの・・・)」 澪
「あ、起きた」 仙
「おはよう」 暴
「お、おはよう・・・・・。
この花・・・どうしたの・・・」 澪
「いや、知らない」 もんじ
「部屋来らあった」 けま
「そ、そうなの・・・」 澪
「あー!起きたか葛城ー!」 俺
(部屋に戻ってきた)
「・・・あんた?」 澪
「え?」 俺
「これ・・」 澪
「あー、それな。
それ、一年は組にやってもらったんだ。」 俺
「一年生に・・?」 澪
「いや、まぁ聞けって。
風邪っぴきにしてやれることってなんだって考えたときにな、
まず看病ってのがでてきたんだ。
でも、俺にはそんな知識ねぇし、寧ろ悪化するかもしんないから、看病ってのは必然的になくなった。
そいで、なにしてやりゃいいかなって思ったとき、花が見えたんだ。
そこの、目の前の花な。
それで、花摘みでよくねって思って、一年は組いったんだ。
丁度土井先生が出張で居なくて、自習だったらしく。
それで手伝ってもらった」 俺
「なんか、悪いことしたね」 澪
「いや、ここから聞いとけよ。
花摘みいったんだよ。
まぁ朝だからかもしれねぇけど、みんな動きが鈍かったんだ。
んでな、庄ちゃんが<なんで花摘みなんてするんですか>って聞いてきたから、お前の名前だしたんだ。
そしたらそしたら、
まぁ動きが早くなってね。
綺麗な花ばっか摘むようになったんだ。
あのきり丸でさえもやってるんだぜ?
しかも楽しそうに。
俺が楽しそうだな?って聞いたんだ。
したら、
<アルバイトやってるより楽しいっすよ。
なんてったって、澪先輩のためっすから。>
いやぁ、あれはいい男になるね。
これで銭<お前ってのが確立した。
お前の名前って、ある種ブランドみたいだよな。
愛されるべきブランド」 俺
「意味が分からないんだけど」 澪
「じゃあわかんなくていいよ。
とりあえず、大事にされてるってことだけはわかれ」 俺
「・・・しっかし、量が多いな。
まるで葬式だ」 仙
「ははは!
仙蔵、お前も後輩にこれくらいやってもらいたいんじゃないのか?」 俺
「・・・何故」 仙
「くっはははは!!馬鹿だな!何年間友達やってると思ってんだよ!」 俺
「・・それもそうか」 仙
「んで、オトンとオカンはー・・・・」 俺
(部屋から廊下に顔を出す)
「あー、居た」 俺
「戻ってきてたんだ」 伊
「ついさっきなー」 俺
「それじゃあ、お粥食べたら、薬飲んでね」 伊
「うん・・・。ありがとう・・。
・・・おいしい・・・!」 澪
「よかったね、長次」 伊
「・・・もそ」 長
「そういえば、なんで一年生も呼ばなかったんだ?」 もんじ
「お?
あ、それな。
一年が来れば煩くなるだろ?
つーか、俺が居る段階でこの状況なんだ。
一年きたらこれより増す。
これを聞いて誰か来る。
鉢屋とか鉢屋とかうるさいし」 俺
「いや、育て手の問題」 けま
「あ、まじで。
つーか、なんか嬉しそうな顔すんなやめて」 俺
「・・・・」 けま
「一年来なくてよかったとか思ってんだろ」 俺
「い、いや・・・。別に」 けま
「はっはー。
そんなん隠したってしょーがねぇだろー」 俺
「・・うるせぇよ」 けま
「すねんなって」 俺
「・・・」 けま
「せんぱーい!!!」 虎
「どうしたー!とらわかー!」 俺
(廊下に頭だけ)
「うわぁ!?
あ、えと、竹谷先輩が呼んで来いって・・・」 虎
「・・・・チッ・・・。
同室の看病してるのに、委員会優先しろだなんて、なんて薄情なっ・・・!」 俺
(顔を隠す)
「誰か薄情ですか・・・!」 八
「うわぁ、居たの」 俺
(目のとこだけ指開く)
「・・・・連行しにきました」 八
「お前、鉢屋に言うなよ。
言ったら間を取って勘をヤる」 俺
「ちょ、ちょちょ、それは・・・・」 八
「だったら黙っとけよ」 俺
「・・・はい」 八
「ってなわけで」 俺
(部屋に逃げる)
(が、首根っこ掴まれる)
「Σごふっ」 俺
「それで済ませないでください。
委員長無しの委員会は今日を入れたら5日目になっちゃうんですけど」 八
「俺が居なくてもお前が代理が居・・」 俺
「居 ま せ ん」 八
「・・・俺ちょっと逝ってくるわー・・・・」 俺
「代わりに面倒見ておいてねー」 澪
「お任せあれー。
行くぞ、虎若」 八
「は、はいっ!」 虎
「・・・苦労するのね、あの子」 澪
「みんな苦労するだろ」 けま
「まぁ、
これだけやってくれたんだから・・・。
感謝しないとな・・・」 澪
「愛されてるってのは、ホントだな」 暴
「何言ってんだか」 澪
「正直いって、留三郎より蒼空の方が、澪の事気遣ってるのではないか?
まぁ同室ってのもあるだろうがな」 仙
「・・・そうかも、しれない・・・なぁ・・・」 けま
「一本と取られたな」 もんじ
「いいじゃん。親友って感じ」 伊
「・・・・捨てられないなぁ」 澪
(捨てたくない、の間違いですよお嬢さん)