過去拍手文
□必死でフォローしたい
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「どうですか?」
万事屋の旦那の服を着た総悟はもう、そりゃもう、破壊力抜群だった。
「総悟可愛いよ総悟」
「旦那ァ。司がハァハァしててキモいでさァ」
「気にしなくていいんだよ。生理現象だから」
万事屋の旦那の服は総悟には大きすぎたらしく、
袖からは指先しか見えなくて、ズルズルと足の袖を引きずって、帯はゆるっゆるで、胸元が大きく開いててどふぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「旦那ァ。司が壁に頭打ち付け始めましたよ」
「大丈夫だよ。うちの壁丈夫だから」
「いや、そういうことじゃなくて…まぁ、いいや」
その後総悟は、袖をパタパタさせたり、くるんと回ってみたり。
何より、万事屋の旦那とおそろいってのがもう堪らん!!
「…ぶかぶかなのが屈辱的ですね」
「いーや、ぶかぶかなのがいいんだよ沖田君」
いちゃつき始めた銀沖。
こいつらマジで結婚しろ切実に。
「あっ」
バタン!!
総悟の小さい悲鳴と、ドンと響く音。
何事かと頭を打ち付けるのを中断して見てみれば、
総悟が袖に躓いて転んでしまったようだ。
あー、ぶかぶかなのが屈辱的だったのに、さらにそれで転ぶなんて、総悟のプライドはずったずただ。
「大丈夫?」
万事屋の旦那が声をかける。
総悟はヨロヨロと起き上がり、
「も、もう着替えまさァ!!」
と、涙目の真っ赤な顔でそう言った。
((か、可愛い))
この時、初めて銀時と司の意見が一致した。
(そごたんに銀さんの服を着てもらいたい。
しかし、強烈な違和感を発するぶかぶかな服に躓いて転んでしまい、
「も、もう着替えまさァ!!」と逃げ出そうとするそごたんを必死でフォローしたい。)