過去拍手文
□ちやほやしたい
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次の日。
沖田は屯所の廊下をブラブラしていた。
すると前方から近藤と山崎がやって来た。
「おう総悟!」
「沖田隊長、おはようございます」
ガハハと笑う近藤にニコリと微笑んでいる山崎。
「おはよーごぜぇやす」
欠伸をしながら返事をすると、近藤が沖田に近づいてくる。
何事かと思えば、急に頭が重くなる。
「こ、近藤さん!?」
なんと、近藤が沖田の頭を豪快に撫でていたのだ。
「偉いなぁ総悟は!」
愉快そうに笑う近藤。
沖田はからかわれているのかと思ったが近藤に限ってそれはない、と大人しく撫でられていた。
近藤は満足したのか沖田から手を離す。
「近藤さん、どうしたんですか急に?」
「おう!総悟が偉い事をしたからな!!」
「はぁ」
会話が成り立たず困った顔をする沖田。
それを見逃さなかった山崎が近藤の言葉を補足する。
「昨日、沖田隊長木に絡まった女の子の風船取ってあげたでしょう?」
「何で知ってるんでィ」
「司ちゃんが言ってたんだすよ」
「またアイツか…」
沖田は呆れたように肩を落とす。
「よーし、今日も頑張るか!!なっ総悟!」
空気を読めない近藤に適当に返事をして沖田はその場を後にした。
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「あ、土方さん」
廊下を歩いていると、土方が廊下の角を曲がってきた。
「また朝から煙草吸ってらぁ。こんなんじゃ早死にしやすぜ。まぁ、俺的には早く死んでもらった方がいいんですけどねィ」
土方をからかおうと沖田は悪態をつく。
「土方さん、あんたしぶと過ぎでさァ。俺が毎日呪ってんのにくたばらない、な…ん…ふぇ!?」
沖田の口から間抜けな声があがる。
急に土方に頭を撫でられたのだ。
「なななな何すんでさァ!!」
いきなり撫でられたことと間抜けな声が出たことで沖田の顔は真っ赤だった。
「いや…、偉いなって思ったから撫でただけだ」
いつものクールな顔でサラッと言う。
「クソッ…!司ぶっ潰してやらぁ!!」
沖田は顔を真っ赤にしながら司を殴りに向かった。
(そごたんをちやほやしたい。
ちやほやされ慣れていないそごたんが挙動不審になるのを見て、
さらにちやほやしたい。ちやほやしたい。)