過去拍手文
□反省したい
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「おい、総悟の奴どこ行きやがった!?」
ドカドカと廊下をうるさく歩く土方は司たちのいる部屋の障子を壊れるかの勢いで開け放った。
ちなみに、その部屋で司と山崎はトランプをしていた。
そんな二人を見た土方はさらに怒りを増した顔になりそれはもう恐ろしいもので。
「てめぇら…勤務中にトランプたぁ一体どういうことだ…!?」
「ちちちちち違うんです副長ォォォ!!」
「土方さん、総悟が何ですって?」
土方のいきなりの登場に慌てる山崎と総悟という言葉に反応する司。
「あぁ、そうなんだよ!総悟が見回りに行ったきり帰ってこねェんだよ!!」
土方は司たちを怒っていたことをまるでなかったかのように話を変える。
「ほうほう、心配なのですね。まぁ大抵は万事屋の旦那が…って、え?何、総悟出掛けたの!?」
途端にサーっと顔を青くする司。
「おい、どうした司!総悟のこと何か知ってんのか!?」
土方は石のように固まってしまった司の肩を掴みガクガクと揺さぶる。
山崎はそんな二人を見て呆れたようにため息をついた。
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「旦那、今日は楽しかったです」
夕方になり、そろそろ帰らないと近藤さんが心配するなー、と思い、沖田は帰ることにした。
「いやいや、付き合ってもらったのは俺だしいいんだよ。
それよりさ、沖田君」
ぐっ、と銀時が沖田に近づく。
何だろうと顔を上げると、
ぐい。
急にに銀時が沖田の両脇の髪を引っ張ってきた。
「痛っ、ちょっと何すんですか!?」
「ちょっとここの髪の毛自分で触ってみ?」
そう言われ、意味がわからなくて首を傾げるが、
言われたとおり頭に手をやると
「!?」
そこにはぴょんとしたものが。
近くの店のガラスを覗いてみると、
沖田の頭はツインテになっていた。
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「司ァァァァァ!!」
バタバタと今度は騒がしい足音が聞こえてきた。
それはもちろん沖田で。
そして石化していた司はハッと我に戻り山崎の後ろに隠れる。
足音が近くなってきて、遂に沖田は司たちのいる部屋に入ってくる。
その沖田はカンカンに怒っていた…、のではなく、頭のツインテを必死に押さえつけながら顔を真っ赤にし、さらには涙目という、
それはもう心臓を撃ち抜かれる程の威力があった。
「どうしてくれるんでィ!こんなんじゃ俺、町中の笑いもんでさァ!!」
「ごめんね総悟ォォォ可愛い総悟ォォォうひょぉぉぉ」
「きめぇ、寄んな!!」
げしっ!と司は沖田に鳩尾に蹴りを入れられる。
「そ、総悟…どうした?」
一方の土方は焦るように沖田に話かける。
「うー…、ゴムが絡まって取れないんでさァ!!この馬鹿土方死ね!!」
涙目+上目遣いという最強のコラボに土方は息を飲む。
数分後、山崎によって沖田の髪のゴムはほどかれ一件落着となった。
だが、江戸では真選組には可愛らしい女隊士がいる、と噂になったとか。
(そごたんの髪の毛はサラサラで女の子のようですが、
朝、こっそりツインテに結ってみて、
いつ気づくかなーと思っていたら
そごたんが出かけたのにぼくが気付かず、
夕方帰ってきたそごたんがツインテを必死に押さえて真っ赤な顔で睨んできたため、反省したい。)