過去拍手文

□反省したい
2ページ/3ページ



誰かが近くにいる気配がして、沖田は目を覚ました。

キョロキョロと周りを見てみるが誰もいない。
沖田は首を傾げた。

「まぁ、いっか」

土方が怒鳴りに来る前に隊服に着替える。

「確か今日は見回りがあったな…。サボるか」

ふあぁ、と欠伸をしながら障子を開け玄関を目指す。

「………………」

しかし、何故か廊下を歩いていると隊士がチラチラとこちらを見てくる。
神山にいたっては興奮したように何かを叫んでいた。

(何だァ、顔になんかついてんのか?)

ペタペタと顔を触ってみるがそうではないらしい。

沖田は居心地が悪くなって、そそくさと屯所を出た。

「はぁ…何なんだあいつら…?……ん?」

ジロジロ。
視線が痛い。

町に出た沖田だったが、通りすがる人々の視線が非常にいたい。

「何なんでィ、もうっ!!」

沖田は出来るだけ顔を隠すようにして人気の少ない場所まで走った。

「くそっ、もしかして司の野郎、俺の顔に落書きでもしたんじゃねェだろうな」

「あれ…沖田君…?」

ガラスか何かで顔を確認しようとしたら、ふと、後ろから聞き覚えのある声がした。

「旦那ァ!!」

それは万事屋のオーナー、坂田銀時だった。

「あー!やっぱ沖田君だったの!?」

「旦那ァ、何かさっきから色んな奴にジロジロ見られるんでさァ!
顔に落書きとかされてませんか?」

「んー、落書きっていうか。凄く可愛いことになってるよ」

「え?」

「いや、なんでもない」

銀時の目の前にいる沖田の顔には落書きなんて1つもない。
ただ、髪型がツインテなだけだ。

(これは多分、司が沖田君が寝てる間にふざけてやったんだろうな…。
正直に沖田君に言うべきか?…いや、言わない方がおもしろそうだな)

「ねーねー、沖田君。これから銀さんとデートしない?」

「デート?」

「うん。そこらへんブラブラするだけだけど」

「あぁ、それなら全然いいですよ。暇ですし」

「ったく、働けよ餓鬼」

「あんたにだけは言われたくねー」

こうして、銀時と沖田はデート(仮)をするのであった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ