短編

□あれ?予想外
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5月5日。
GW。こどもの日。

そして…副長こと土方十四郎の誕生日である。




「「副長ォォ!誕生日おめでとうございます!!」」

朝から隊士たちの声が屯所内に響き渡る。
近所の人から苦情がきそうだ。

でも、しょうがない。
なんったって今日は副長の誕生日だから。
あの人は人一倍厳しいが、人望は厚い。隊士たちの憧れでもあるのだ。

そんな副長も

「あー、そういや今日は俺の誕生日だったな〜」

とか言って、まんざらでもなさそうだ。


「副長!これ、俺からの誕生日プレゼントです!受け取ってください!」

と、ある隊士が副長に渡したプレゼントはマヨネーズ。
まあ、副長マヨネーズ好きだしな。
そして、次の隊士のプレゼントもマヨネーズ。次の隊士もマヨネーズ。マヨネーズ。マヨネーってしつけーよ!
なんでみんなマヨネーズなんだよ!!
もっと頭捻れよ!!
って言っても俺からのプレゼントもマヨネーズだけどな!!

てか、副長めっちゃ嬉しそうだし…。

「…なあ、山崎ィ」

俺が1人でそんなことを考えていると、沖田隊長が俺の横へやって来た。

「どうしたんですか沖田隊長?そんな顔して」

沖田隊長はなぜか機嫌が悪そうな、拗ねているような、そんな顔をしていた。

「山崎…あれどう思う?」

そう言って沖田隊長は隊士たちに囲まれた副長を指差した。

「あれって…副長ですよね」

「いや、そういう意味じゃなくて。プレゼント。何でみんなマヨネーズ?」

「そりゃあ、副長マヨネーズ好きだからじゃないですか?」

俺がそう言うと、沖田隊長は顔をしかめた。

なんだなんだなんだぁ?
俺なんか悪いことした!?
いやいやいやいやいやいや別に俺なにも悪くないよね?ねぇ!?

「た、隊長…何かあったんですか?」

俺は恐る恐る聞いてみた。
「いや…なんか、構ってもらえないなあって思って」

「…はい?」

「だから!土方さんがマヨネーズばっか食ってて構ってもらえないんでさァ!!」

「え」

えぇぇぇえぇぇ!?
え、何?何この展開!?
とりあえず落ち着け。落ち着くんだ山崎退!!

「えーと…。それってつまり、嫉妬ですか…?」

「嫉妬?あー…うんまあ…」

まじかよ\(^O^)/
なんだ、隊長って意外と甘えたちゃんなんだ。
可愛いとこあるじゃないですか←

てか、これチャンスじゃね?
副長と隊長くっつけるチャンスじゃね?
ここだけの話。副長って実は沖田隊長に好意を抱いているらしい。
つまり、恋愛対象としてみてるらしい。

いや、でもね。結構副長は沖田隊長にアピールしてるんだけど、あの天然で鈍感な隊長にはどうやら伝わってないみたいで。
さらに沖田隊長、副長の命狙うわ、万事屋の旦那とじゃれあうわで、まあ、副長はストレス溜まるわけですよ。
で、その怒りと嫉妬とか色々混ざった拳が俺にくるわけなんスよ。
俺はもう限界なんスよ。

だから今日このチャンスを逃すわけにはいかない!
山崎退頑張らせていただきます!!

「あの〜隊長?それはっきり副長に言った方がいいですよ」

「でもそんなこと言っても土方さん、嫌がるだけだろィ?」

そんなことないですよォォォ!!大喜びでしょ!!

「言わないと何も始まりませんよ?隊長は好きなんでしょ?」

土方さんのことが。
あえて名前出さなかったけどww

「えぇと、そうですねィ…好きでさァ!」

りょ・う・お・も・いキター(゜∀゜)ー!!
おいおいイケるんじゃね?いやマジで。

「…山崎!俺やっぱ土方さんに伝えてくる!!」

そう言ってダダダダと走ってた沖田隊長。
土方さんは俺と隊長が会話している間にどこかへ行った(多分自分ね部屋に戻ったんだと思う)。
しかし、俺と隊長が会話していたときの副長の目は怖かったな。嫉妬に燃えてた。

よし、では俺も沖田隊長のあとを追おう。
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