短編

□青春してるんです!
3ページ/5ページ

「……っていうことが今朝あった」

結局あのあと沖田を見つけることが出来ず、
一日中ブルーなオーラを巻き散らかして過ごしたらしい。

高杉はそれだけ言って、はぁとため息をついた。

「俺は一体どうしたらいいんだ…」

だんだん虚ろな目になってくる高杉。

「うーん、そうだなぁ。俺的には別れてくれていいけど。
そしたら、俺が沖田君と付き合うし?」

俺がニヤニヤとしながら言えば、隣の土方に睨まれた。

「ふざけんな。誰がてめぇみたいな天然パーマに総悟をやるか。
とりあえず高杉、てめぇは浮気性を直して総悟と仲直りして死ね」

「なんで死ななきゃいけねぇんだよ。沖田が悲しむだろ」

「てめぇごときに総悟は悲しまねぇよ。高杉、とりあえず切腹しろ」

どうやら土方は怒っているらしい。
沖田を弟のように可愛がってきた土方。
そんな沖田が今高杉によって傷つけられた。
土方の怒りはMAXだ。

高杉は再びため息をつく。

するとカタカタと窓の方から音がした。
何事かと窓を見ればバリンと音を立てて窓が割れた。

バラバラとガラスの破片が落ちていく中、1人の人物が平然としながら窓から部屋の中へと入ってくる。

「………何してんだ、神威」

高杉がその人物の名前を呼ぶ。
神威はぴょこんと前髪のアンテナを揺らす。

「高杉酷いよ。何で俺に相談してくれないのさ。
俺たちクラスメイトじゃん」

にこやかに笑い続ける神威。
その笑顔が怖い。

「お前に相談しても意味ねぇだろ」

「そんなことないよ!」

「…っていうか、お前俺が何で悩んでるかわかってんのか?」

「うん。総悟を犯した…」

「還れ、土に」

「あれ?違うの?」

本気で驚く神威に、だからコイツに相談したくないんだよ、と眉を寄せる高杉。

「高杉、俺たち友達だろ?ちゃんと相談にのってあげるよ」

どうせ総悟絡みでしょ?

そういう神威はどこか楽しげだった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ