短編
□青春してるんです!
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目の前にはずーん、とブルーのオーラを巻き散らかす後輩。
普段俺たちを馬鹿にし、見下してくるうざい後輩が部屋の隅っこで三角座りをしている。
普通なら爆笑してやるところなのだが、
余りの重々しい空気に俺までもが何かブルーな気持ちになってきた。
実際、隣にいる俺のクラスメイト、土方も黙ったまま大人しく座っている。
「…おい、高杉。俺たちを呼んでおいて放置ってどういうことだコラ」
遂に耐えきれなくなった俺は三角座りでブルーなオーラを巻き散らかしている後輩、高杉に声をかけた。
「………………………」
無言。
先輩が話しかけてやったのに無言だと?
おまっ、窓から突き落としてやろうか?
「高杉くーん?」
「………………………」
イラッ。
なんだコイツ。
「おい、土方帰ろうぜ」
高杉に呼ばれてわざわざ高杉の家にまで来たというのに
この調子じゃただの時間の無駄だ。
俺は立ち上がり、高杉の部屋から出といこうとする。
「…沖田が………」
ぽつり、と高杉が弱々しい声で呟いた。
『沖田』という言葉に俺は立ち止まる。
「沖田が別れようって言ってきたんだ…」