短編

□変態注意!
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「総悟!?なんで泣いてんだよ!?」

気づいたらもう、涙がぼろぼろ出てた。
私の腕を掴む土方さんの手が緩んだ気がしたが振りほどく気にもなれなかった。
体の力も抜けていき、ぺたんと床に座り込んでしまう。
コンクリートが冷たくて気持ちいい。

「総悟、嫌なことどもあったのか!?誰かに変なことでも言われたか!?
くそ!!俺の総悟を泣かせやがった奴は誰だ!!シバいてやる!!」

お前だよ。
気づけよ、お前だよ。
しかも何ちゃっかし俺の総悟って言っちゃってるんですか。
誰かこの変態を屋上から突き落としてくれ。300円あげるから!!

「土方さん…」

ふと、土方さんではない男の声が聞こえてきた。
誰かと思えばあんぱん片手に山崎が土方さんの隣に立っていた。
てか、山崎いたんだ。すっかり忘れてた!

「おぅ、山崎!お前いたのか。影薄くて気づかなかった」

言っちゃったよ!!
私ですら黙ってたのに言っちゃったよこの人!!
しかし、山崎はまるで慣れてるかのように土方さんの言葉をスルーした。
慣れって怖い。

「沖田さんが泣いてるのって、土方さんのその変態的な行動のせいだと思うんですけど!!」

そう言って山崎は屋上からダッシュで逃げていった。
多分土方さんに怒られるのが怖かったたんだと思う。

でも山崎ありがとう(逃げたのはアレだけど)!!
今度あんぱん奢ってやる!!

気持ちも大分落ち着いたしとっとと土方の馬鹿から逃げよう。

私は土方さんの腕を振りほどこうとした。
が、私が腕を振りほどこうとすると土方さんがもの凄い力で腕を掴んできた。

「痛い痛い痛い痛い!!土方さん痛いですから!!」

そう言うが、土方さんの力は強くなる一方。

「総悟、お前は俺にパンツを見せるのが嫌なのか…?」

わなわなと震えながら聞いてくる土方さん。
「当たり前だろうが」
そう言いたかったが、腕が引きちぎれそうで言葉が出ない。
代わりに、こくこくと頷く。

「なんだと…!?」

土方さんの手の力が緩み、急いで腕を救出する。
土方さんの手から逃れた私の腕は赤く手形が残っていて痛々しくなっている。

「総悟…悪い…。お前が泣くほど俺にパンツを見せるのが嫌だと思わなくて…」

ずーん、と落ち込む土方さん。
いろいろ発言に問題があるが、ここはあえてスルーしよう。

「なあ、総悟。お前のパンツ見れないかわりにちょっと質問していいか?」

「え?あぁ、質問くらいなら…」

人生の終わりだ、とでも言うように落ち込む土方さんが少し可哀想になってきた。
まあ、自業自得なんだけど。

「今日のお前のパンツ何色?」

前言撤回。
こいつはただの変態だ。
私は土方コノヤローの顔面に飛び蹴りを食らわしてやった。



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昨日思い付いたネタ。
あまりにも土方がパンツパンツ連呼してた笑

あと、山崎ごめんネ。
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