リクエスト

□百合
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百合土沖 3Z



「総悟ォォォ!!待ちやがれェェェ!!」

「待てと言われて待つバカが居ますか、ばーか」

何かとトラブルの多い銀魂高校。
そこで今、鬼ごっこが繰り広げられていた。

「お前いい加減委員会に出やがれ!」

艶のある長い黒髪を翻しながら後ろを追いかけているのは土方。
銀魂高校の風紀委員会で、誰もが恐れる鬼の副委員長である。

「えー、今日は神威と高杉とゲーセンに行く予定なんですよね」

そんな土方から逃げるのは沖田。
こちらも風紀委員だが、毎回委員会には参加しない。
だからこうやって土方に追いかけ回されているのだが。

「いでっ」

「おら、捕まえたぞ」

土方が長い腕を伸ばすと、あっさり沖田を捕まえることが出来た。

「ちょ…、土方さん。目がマジですよ?何でそんなに怒ってんですか」

「怒るに決まってんだろうが。俺という恋人がいながら他の男と遊びに行くなんて信じられねぇ!」

土方の言う通り、土方と沖田は恋人だった。
周りには付き合ってることは内緒だが、デートに行ったりとそれなりに恋人らしいことはしている。

「何だ、そんな事ですかィ」

「そんな事とは何だ!犯すぞ!!」

「…恐ろしい事言うのやめなせぇ、マジ冗談に聞こえませんから」

沖田ははぁ、とため息をつくとくるりと土方に向き直る。

「それに、神威と高杉はただの友達でさァ。私が好きなのは土方さんだけですよ」

にこり可愛らしくと笑う沖田に、土方は不意にもきゅんとなってしまう。

「それならいいんだ…」

顔を赤らめながら顔を逸らす土方に、沖田は、なんて扱いやすい人なんだと思った。


「あー、そういやお前…」

真顔に戻った土方が何か思い出したように顔を上げる。

「どうかしましたかってうわ!?」

沖田が声をかけると同時に土方はしゃがみこんだ。沖田の足元に。
土方が顔を上げれば、パンツが丸見えだ。

「えぇ!?何やってるんですかアンタ!!」

驚いて土方から距離を離せば、土方は眉間にしわを寄せる。

「お前さ、スカート短くね?」

土方は立ち上がりながらそう言う。

「そうですか?皆こんなもんでしょ、てか、アンタが長いんでしょ」

「このスカート丈が基準なんだよ!」

怒鳴りながらも沖田の腕を掴み自らの胸に抱き寄せる。

「校則くらいちゃんと守れねぇのかてめぇは」

「ひゃあ!?」

「こんなスカート丈じゃ普通に歩いててもパンツ見えるぞ」

「ちょっと、どこ触ってんですか変態!」

「変態で結構。行くぞ」

ぐいっ、と沖田の腕を掴んだまま歩き出す土方。

「何処に行くんですか?」

「俺の家」

土方の答えに沖田は身の危険を感じた。

「土方さん、委員会は?」

「別にいい」

「いや、あの、マジで勘弁してくだせェよ」

土方から逃れようと暴れるが掴まれた腕は離れる気配がない。

「いっぱい可愛がってやるよ、総悟」

「ひっ…」

その後に行われた風紀委員の委員会に土方と沖田が現れなかったのは言うまでもない。







(あっれー?高杉、沖田今日休みなの?)

(あぁ、何か腰痛いとか何とか)

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