リクエスト
□ふわり風
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♂神+♀沖 学パロ
廊下をぶらぶら歩いていた総は、廊下の壁に寄りかかって座っている神楽を見つけた。
「…………なにやってんの」
各教室に配布されているプラスチック製の大きな直定規を弄りながら神楽はチラリ、とこちらを見た。
「廊下は涼しいアル」
「はぁ?それだけの理由?」
まぁ、確かに今は真夏だが。
教室も廊下も暑さは変わらないのではないだろうか。
むしろ扇風機のついた教室の方が涼しいのではないだろうか。
「どこにいようと、俺の勝手ネ」
「………………あっそ」
いつもなら言い返して喧嘩を巻き起こしているところだが、暑い日差しが窓から覗くような場所で、わざわざ喧嘩などしたくはなかった。
総は早く教室戻ろう、と神楽の前を通りすがった。
瞬間。
「!?」
ふわっ、と足の付け根付近が涼しくなるという違和感を感じた。
「あ、水玉パンツ」
ガラガラと、誰かが開けた窓から強い風が総のスカートをめくり上げたのだ。
「―――――――ッ!」
バシッ
「いでっ」
総は言葉にならない悲鳴を上げたあと、神楽の頬を殴り真っ赤な顔で何処かへ走っていった。
「俺何も悪くないアル…」
はぁ、とため息をつく神楽。
「ま、でもいいモン見れたネ」
あとでネタにしてやろう。
そしたらあの生意気な小娘の羞恥に染まった顔が見れる。
神楽はニヤリと笑い立ち上がる。
そんな夏のひととき。
(人生にハプニングはつきものさ)