リクエスト

□相合い傘
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銀→♀沖←土 学パロ



銀時は肩を落とした。

昼から降り始めた小雨は、今、大雨になっていた。

銀時は灰色の空を恨むようににらむ。

何でこんな日に限って傘を持ってきてないんだ!

銀時ははぁ、とため息を吐き、この雨の中走って帰ることを決めた。



びちゃびちゃと水溜まりを避けながら走る銀時。
傘を差しながら歩く者にとっては実に滑稽に見えただろう。

「おっ、」

銀時は足を止めた。
前方に見覚えのある少女を見つけたからだ。

小柄な少女が大きな傘を差している。
アンバランスだ。

それでもその傘を差すのは大好きなお姉ちゃんに買ってもらった傘だからだろう。

傘に入れてもらおうかな。

銀時は少女のもとまで走った。

「「総、入るぞ」」

しかし、声をかけたところで違和感。

あれ?今誰かと声がかぶったような…。

ばっ、と少女の向かい側を見るとそこには銀時の犬猿の仲でもある土方が。

「わぁ、タイミングぴったりだ」

本当に仲良いですねぇ、と総はケラケラと笑う。

仲良くねぇよ…。

銀時と土方はしばしにらみ合う。

「おい、どっか行け」

先に声を上げたのは土方で。

「お前がどっか行けば?」

どうせ折り畳み傘持ってるんだろ。
そう言えば、土方は言葉を詰まらせる。

お前が総に下心あるのは分かってんだよ、ばーか。

「まぁまぁ、落ち着いてくださいよ。私の傘大きいので3人入りますから」

いや、別にそういうことで喧嘩してるわけじゃ…。
まぁ、いっか。

次の雨の日は総と2人で相合い傘してやる!
と、銀時が密かに思ったのは秘密の話。







(雨ってのもたまには良いかも、な)

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