紡ぐ湖
□占有の印〜sideA
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才蔵さまの忍服を繕いながら、ふと思った。
そういえば、これは随分動きやすそうだ。
才蔵さまの修行はなかなか……いや、かなり厳しい。
正直、着物では動きにくくて。
手元の忍服と、身につけている着物とを見比べて、閃いた。
「そうだ!私の忍服を作ろう!」
早速、箪笥の奥から古い着物を取り出す。
あとは、これをどうしようか……。
裁縫は得意な方だ。
”動きやすさ”を考えながら、大胆に鋏を入れていった。
――――数刻後。
「できた……!」
早速、自分専用の忍服を羽織ってみる。
肩の部分は、才蔵さまとお揃いの切り込み入り。
一番邪魔だった裾も、膝上1尺弱まで切り落としてある。
これが想像以上に動きやすかった。
仕上がりに満足して、そのまま室内で走ったり飛んだりしていると
何となく、忍びの姫らしくなった気もする。