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□なめこpanic!
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さて、ここは、どこにあるともしれないノックアウトの研究所。
いつものように朝がきて、いつものように1日が始まろうとしていたが…

「んー…おはようブレークダウン」
「おう。ノックアウト」

大きく伸びをして欠伸混じりに挨拶のしたノックアウトにブレークダウンは短い返事をする。

「それはそうと、さっきからいろいろ声が聞こえてくるんだが、一体何だかねえ?」
「ああ、聞こえてるなー。何だろうな。」

確かに、1日の仕事場であるリペアルームのドアの向こうからは小さく声のようなものが聞こえてきていた。

二人はしばし顔を見合わせると、リペアルームのドアのスイッチを押した。

「んふんふ」
「んふんふ」
「んふんふ」
「んふんふ」

得体のしれない言葉と共にそれは振り返った。
いやにでかい頭部。
茶色い体。
横にもごもごと動く口。


「「「「「んふんふ」」」」」

二人はしばらく無表情で立っていた。
そして、リペアルームのドアをしめた。
しばらくしてまたドアを開けた。

「「なめこォーーーーー!?」」

うぞうぞと増殖したなめこたちは湿気を漂わせながらゆらゆら動き、
「んふんふ」
と繰り返す。

「なんだこれっ!なんだこれっ!?なにがどうなってこんなことになってんだっ!?」
「ふむ…恐らくスタースクリームか、オートボットあたりが嫌がらせにぶち込んだに違いない。」
「冷静に分析してんなぁ!」

今の状況を全く理解出来ないブレークダウンと無駄に冷静なノックアウト。
…漫才状態である。

「とにかく回収しないとね。」
「そうか、よし、やるぞ!」
「頑張れ」

妙に爽やかな顔でそう言ったノックアウトの頭をブレークダウンが小突く。

「お前もやれよ!」
「やれるか!大体あんなの相手にしてたら私の美しいペイントがなめこの粘液で穢れる!」
「回収しないとって言ったのはお前だろーがァ!」
「えぇーん…」

明らかにやりたくなさそうな顔で口をへの字に曲げたノックアウトだったが。
しかし、つぎの瞬間には不敵な笑みを浮かべた。

「ブレークダウン、鍋持ってきて湯沸かせ。」
「なにするんだ?奴らにぶっかけんのか?」
「なめこは喰えるからねぇ…片っ端から茹でて味噌汁にでもしてやる。」
「喰うのか!?」
「同士が喰い殺されたなら少しは見せしめになるだろうよ」

だんだん黒いオーラがノックアウトの周りに渦巻き始めた。
その空気に耐えられなくなったブレークダウンは一時でもこの場を離れようと台所へ走った。





さて、それから三時間後。

「見かけのわりに旨いな…!」
「この私が喰えるといってるんだからね」

二人によってすべて鍋にぶち込まれたなめこは二人によって捕食(?)されていた。

「原因は部屋の隅の雨漏りの水溜まりだね。湿気が多くて増殖しやすかったらしい」
「ああ…じゃあ治しておくか…」


リペアルームは今日も平和であった!

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