TFG1 擬人化
□デスクワークの夜に
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カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ………タンッ
プロールは黙々とディスプレイを凝視して、キーボードを叩き続けていた。
ただ二進法を繰り返して信号化したものを繰り返すだけだというのに。目の前の書類は一向に減る気配が見えない。
ちっ、とプロールは小さく舌打ちをした。もう何時間こんな作業を続けているのだろうか。それでもいっこうに終わらないなんて。
ちら、と視線を斜め右に向ける。ショートカットの黒い髪。キラリと光を時折はじくバイザー。白い長い指がキーボードの上をなめらかに動いていく。
しかし、進行状況はプロールと同じだ。
時計を見る。午前1時だった。
「マイスター。」
「何だい?」
声をかけると、くるりとマイスターが振り返った。
疲れが全く見えないその顔にプロールは小さく感心しながら、言葉を続ける。
「少し休まないか?もう4時間くらい同じことやってる。お前も疲れただろう。」
「そうだね。じゃあコーヒーを入れるから、君は座っていて良いよ。」
にこ、と笑って立ち上がろうとしたマイスターをプロールが制止した。