短編2

□1年最後の夜
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「良いお年を……じゃ、終わり!」


此処はダアトの礼拝堂である


此処では、神託の盾の飲み会が開催されていた


「ねぇ、僕お酒飲めないんだけど…」


「僕も、飲めないです」


イオン、シンクはまだ成人していない為、酒が飲めない


「そうか?飲んじまえよ」


「ユーノラス、薦めるなよ」


「良いだろう?ガイラルディア」


ユーノラスは日本酒を二人に薦めるが、ガイに止められた


「ガイ、なんで止めるのさ?」


「お前は子供だろ?お前らは、オレンジジュースでも飲めよ」


小さいコップに、オレンジジュースを注ぐガイとマルセル


「ほら、シンク」


子供扱いをしているマルセルに、シンクは苛立ちを覚える


「ねぇ、子供扱いしないでよ。マルセルにガイ」


「別に、子供扱いはしてないよ?」


マルセルはワインを口に運び、何もしてないオーラを出す


イオンは大人しく、渡されたジュースを飲んでいる


「メアドール、飲むか?」


「飲むよ。リグレットが持って来てくれたんだから」


彼女から渡されたワインを口にするメアドール


「騒がしいな、こんなに集まると」


笑いながら言うリグレットに、彼は微笑みながら頷く


「だな。でも楽しいじゃん」


二人は、礼拝堂の全体を見渡し、微笑む


「リグレット、今日で今年も終わりだな」


「そうだな。今年は結構大変だったな」


「来年は、リグレットともう少し一緒に居られるようにしたいな」


詠師トリトハイムを無視し、前の方では二人は寄り添い、誰も近付けない空気を作り出していた


「メアドール、もう一杯飲むか?」


「ん?もういいや」


「ダメだ。飲むぞ」


「やだ、リグレット」


「飲むぞ、メアドール」


一升瓶の酒を片手に、メアドールに近寄るリグレット


「リグレット、酔ってるか?」


「酔ってない。さ、飲むぞ」


コップを横に動かすが、強引に彼の手を掴み、酒を注ぐ


「な、なぁ、リグレット」


「メアドール、体暑い…」


彼の言葉を無視して、胸裾のトコをパタパタし始める


「リグレット、飲み過ぎだ」


そんな彼女に少し赤面しながらも、涼しくしてあげるメアドール


「これで、少しは涼しいだろ?」


「うん。ありがと、メアドール」


二人は涼しくなったが、周りの人々の実感温度は軽く四、五度上がった
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