どれくらい時が経ったのだろぅ…

小雨が気まぐれなリズムを奏でている初秋、世間についていけてない少年が、自分を求めて夜更けにブラついてた。
普段はあまりこの時間は出歩かないのだが、9ヶ月の恋愛を終えた少年は、部屋にこもって、少し前までの時間にサヨナラを告げたい気分ではなかった。
話が終わって、息を吐く間も持たず、簡単な身支度で、少しの金と鍵をポケットに雑に突っ込んで、ただ、歩いた。

どれくらい時がたったのだろぅ…

目の前に、フッと街灯よりもハッキリとした光が気になり、引き寄せられた。

光により、浮かび上がってる文字は、【B】【A】【R】【I】【・】【K】【・】【I】
少年は思わずつぶやいた…
『バー イキ…』
もちろん、日本では未成年の少年にはまだ縁を持つことを許されない場ではあるが、頭で考えるよりも、体が先に反応して、重めのドアを押してた。

光をやさしく感じれる不思議な世界が、たった一つの扉を挟んで、そこにはあった。
一瞬で感じたことなのだが、脳が容量オーバーになった為、【鳩が豆鉄砲撃たれた顔をしながら、仁王立ちしてる自分が恥ずかしくなった。

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