小さなお話
□エプロンがーる
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「....どうせゆいは僕の事なんてどうでもいいんだろ」
背中しか見えないけど
拗ねて頬を膨らませているタオが
脳裏に浮かんだ。
全く。
可愛いんだから。
思わず漏れた笑みが広がる。
「ケーキ出来上がったらふたりで食べようね」
「ふたりで?」
「だから待っててくれる?」
あたしの方に振り向いたらタオの顔は
まるで
飼い主にやっと相手にしてもらえた子犬のようで。
「待ってるー!」
そう言って
キラキラ眩しい笑顔で大人しく待つタオを見て
ケーキが焼けたら
真っ先になでなでしてあげようなんて思った。
→あとがき