小さなお話
□あなたという闇に堕ちた
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「...っ。ゆい」
「ん...あ、お帰りなさい、ジョンデ」
気がついたら意識がなくて
眠っていたことを知る。
目の前にいるジョンデが悲しそうな顔で
あたしを見つめて。
なんでそんな顔してるの?
ジョンデが悲しいと
あたしも悲しい。
抱き締めよう手をのばすと
聞き慣れた金属音。
もう馴れた痛み。
絡み合う鎖がとてつもなくもどかしかった。
「.....ジョンデ」
一日中水分を口にしていないからか
囁くような声しかでない。
「痛いよな。ごめんな」
あたしの腕から手錠をはずすと
流れ出る血を拭って。
まだ乾かない傷を撫でて。
ジョンデは涙を流した。