小さなお話

□感じる体温
2ページ/4ページ

 
あたしだって我慢してるんだから。

 

繋いでいる手を強く繋ぎ直す。

 


「もぅ」
 


ルハンはあたしを抱き締めて


風で冷えた耳に


温かい息がかかって。

 


冷えてるはずの体が


芯から燃えるように熱くなる。

 



「ゆいは本当可愛いな」
 

「からかわないでよ」


 

素直になれずに


口から出るのは可愛いげない台詞。




そんなあたしの心を


見透かしたかのように


今までにないくらい


甘い視線で

 
ルハンがあたしを見つめた。


 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ