小さなお話
□恋して笑う
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こつこつ
先生が黒板に数式を書く音だけが教室に響く。
うわ、何あの数式。
解読不可能。
よって答えを導くのも無理。
思わず溜め息をつく。
「ミンさん教えてあげようか?」
隣の席の男の子があたしに親切な申し出。
分かんないままより
教えてもらった方がいいか。
「じゃあお願「んーじゃあセフン。答えろ。」
あたしの声と先生の声が重なって。
「...はい」
耳に届いただるそうな声に
恥ずかしいくらいあたしの体が反応する。
「あ、やっぱり大丈夫」
隣の子にほんのちょっと
申し訳ないとおもいながら
もうすでに
あたしの視線は
黒板で意味不明な数式をすらすらと解く
セフンくんの背中を捉えていた。