小さなお話

□痛みを伴う愛なんて
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あーあ。

大きな溜め息を吐きながらも

ついつい目で追うジョンインの姿。

 

黄色くて甘ったるい声が今日もジョンインを包んでいて


もてるなー


思わずガン見をしてしまう。

 


可愛い女の子達から言い寄られて

満更でもなさそうじゃない。

 

あたしが彼女なのに。


 


そんな事を考えていると。


 

あ。


 


ジョンインとあたしの視線が交差する。


「ジョンイ...」


自分が見た出来事に言葉が詰まる。



ジョンインはあたしを見てにやりと笑うと

隣にいる女の子の頭を優しく撫でた。

 

ずきん


あー駄目だ

弱いな、あたし。


あんなのいつもじゃない。

 

 

女の子達ににこにこしているジョンインの事を


見ていられなくて


ぎゅっと目を瞑り、机に伏せた。
 

 


 
「おい」


頭上で声がする。

 

ゆっくり頭をあげると

もう教室に夕日が差していて。

 

夕日に照らされて

ジョンインの顔が見えた。


 

「いつまで寝てんだ」

「あ、ごっごめんね」

 

あの子達への接し方と

あたしへの接し方が違いすぎて。


 
何故か涙で視界が滲んだ。

 

「何泣いてんの」


冷たい物言いに また胸が痛くなる。

 

 
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