小さなお話

□恋と呼ぶにはあまりにも
1ページ/3ページ

 

今日も目を開けば

視界は白。

 
清潔感の塊みたいな空間に

 

ひとりぼっち。


 
 

心にひゅうっと風が吹いた。

 
 

「あ、ミンさん。おはようございます」


ふいに名前を呼ばれて振り向くと

優しく微笑むジュンミョン。


 
あたしのお医者さん。

 

「おはようございます、ジュンミョン先生」

 
かちりと鍵の音がして



静かな部屋に

こつこつと静かに足音が響く。

 


「今日は具合どう?」

「んーなんとか」


近づいてくるジュンミョンの視線に

耐えきれず

紅く染まった頬を隠すように俯くと

 

「なんとかってなんだよ」


可笑しそうに笑う声に

カーテンをしめる音。

 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ