小さなお話
□恋と呼ぶにはあまりにも
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今日も目を開けば
視界は白。
清潔感の塊みたいな空間に
ひとりぼっち。
心にひゅうっと風が吹いた。
「あ、ミンさん。おはようございます」
ふいに名前を呼ばれて振り向くと
優しく微笑むジュンミョン。
あたしのお医者さん。
「おはようございます、ジュンミョン先生」
かちりと鍵の音がして
静かな部屋に
こつこつと静かに足音が響く。
「今日は具合どう?」
「んーなんとか」
近づいてくるジュンミョンの視線に
耐えきれず
紅く染まった頬を隠すように俯くと
「なんとかってなんだよ」
可笑しそうに笑う声に
カーテンをしめる音。