小さなお話
□焼きもち
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あたしの視線の先には
テレビ。
正しくいえば
女の人といちゃいちゃしてるチャニョル。
鍵が開く音がして
急いでテレビを消した。
「ただいまー。」
心はもやもやしていても
身体はチャニョルの声に反応して。
「おかえり。」
反射的に言葉を返す。
いつものように
あたしを抱き締める。
「今日も頑張ったよ、俺。」
そんなきらきらした目で
あたしを見つめて。
抱き締めかえそうとした時
脳裏に映ったテレビの中のチャニョルの姿。
身体がチャニョルを拒み始めた。
嫌だ。
あんなので
勝手に焼きもちやいてるあたしが嫌だ。