□間抜けなふたり
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「ねー」



 

しーん



 

「ねーねー、ドンウーー」



 



しーーん



 


そんなにテレビが面白いですか。



そんなにお菓子が美味しいですか。



そんなにゲームが大変ですか。



そんなに彼女放っておいて楽しいですか。


 





トイレから出てきて


ソファに埋もれるドンウの後ろに


声をかければ



 

無視ですか!?



 


「いーよ、ドンウがそういうんなら。こっちにも考えがある」



 


拗ねたあたしが向かうのは


綺麗に整理されてるキッチン。



美味しいもの作って


ひとりで平らげてやるんだ!!


 

というか、作ってる間に近寄ってくるに違いない。



くくく



見てろよー



 



-10分後-


ん?



いや、まだまだ



 

-20分後-



.....いや、まだまだ


まだまだだぞ



 



 

-30分後-



もうパイ出来上がっちゃったよ。


チョコパイにアップルパイにカスタードパイにシュガーパイ。



部屋中に美味しそうなバターの香り。



 
ふたりで食べるかと思って


いっぱい作っちゃったけど。



 
必要ないみたい。



 



これでも


これでも



あたしに興味を示さないか。



 


「ドンウの馬鹿」


 


悲しくなって



思い切り頭をどついてやった。


 



 



こっち向け、馬鹿野郎
(寂しいだろうが)


 



「っんへ!?」



部屋に響いた間抜けな声。



 



あれ、これはもしかして


 

「あ、ゆい!ごめん!」




まだうつらうつらしているドンウが


あたしを見つめる。


 


もしかしてもしかしなくても



「ドンウ寝てた?」



「ごめん、ほっんとごめんね」



 



なんだ、


寝てたの。


 


(ドンウーーー)

(なーに、ゆい)

(じゃじゃーん)

(うぉ!パイだ!旨そー)

(食べて食べて)

(んっ!超旨い!!)

(んふふ、まだまだあるよ!)

(!!...ん、うん、ありがと(え、そんなに))



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ドンウたんは胃もたれ間違いなし←

アップルパイ好きです、あたしが((聞いてない



 

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