□砕くのは青空
1ページ/1ページ



 

 

俺は君が好き。

 


 



「みょんすー」



いつもにこにこ俺に笑いかけて



「ゆいー」



俺が呼べば



「なーにー」



笑いながら問いかける。



 



そんな君は



「よるくん!」

「なーに、ゆい」

「んふふ」

「可愛いなー、全く」



 

俺の大切な友達でありメンバー


ソンヨルの彼女だ。



 


 


「でさ、よるくんが皆の前でやろうとか言いだして」



「うんうん」



相槌をうつだけでもゆいの顔が穏やかになる。


 

緩く下がった眉がいとおしくて仕方がない。


 


だけど、俺は


ゆいのことを好きなように


ソンヨルのことも大事だから




「でもさ」



ふたりの仲を引き裂いてまで


ゆいと一緒になりたいとは思わない。



「ソンヨルは変態だからじゃない、分かってて付き合ってるんでしょ?」



綺麗事だけど


やっぱり好きな人には幸せでいてほしいなんて。



 


「そうだけどさ....」



ゆいが俯いて



「しばらく会ってもなかったから」



ぼそぼそと恥ずかしそうに呟く。



 
ぞわっとした。



 


なんとなく


いや、はっきり



 

ゆいの言いたいことが分かったから。



 


イライラする。



俺ならそんなこと言わせないのに。




 


「あれか」


 

俺なら毎日飽きる程


呆れるぐらいに愛してあげるのに。



 


俺の声に反応してゆいの顔があがって



「みっ!....ミョンス」



大きく開いた瞳に紅い頬。



 

誘われるように壁まで追い詰める。



なんともいえない背徳感に


不本意ながら身体が悦ぶのが分かった。



 



「みょん「ゆいは欲求不満な訳」


開いた口を確認してから

すぐに言葉を遮る。


 

拒絶の言葉なんて聞きたくなかった




 

ほらね


「」




俺の質問に言葉を詰まらせるゆいににやり


 

「図星....でしょ」



 



誰か自分を止める術を



 

「寂しいなら相手してやるよ」


 


教えてくれたら良かったのに。



 



 


征服できない白
(自分のものにならないなんて
   分かりきっていたはずだろ)



 


固まるゆいを見て



やってしまったと後悔する。



もう遅いことだけど。



 

ぐいっと唇を寄せたとき




「ミョンス!」


ドアが大きな音をたてて開いた。



ああ、ソンヨル。



 


「駄目駄目!これは俺の!」




分かってるよ。


 


ソンヨルの存在に


自分の熱いものが冷めていくのを感じる。


 

「助けにくるの遅すぎだよ、ソンヨル」



もう少しで

自制が効かなくなるところだったよ。


 

「相手してやってくれてありがとな」




ソンヨルに腕をひかれて



ゆいが遠くなる。



ついさっきまで


俺の目の前に確かにあったぬくもりは


一瞬で奪われて。



 

怖いよ、ソンヨル


ゆいが怖がってるじゃん



「どういたしましてー」



ばいばいと手を振れば


これまた荒々しくソンヨルがドアを閉めた。



全てを失った気がした。




 



もう駄目か。


もう限界だったんだよ。



 


取り残された部屋でひとり



 

絞り出すように呟いた告白は



 

君の心には届かない。



 


 

『俺はゆいを愛してた』



=======================================

お気づきの方もいると思いますが

よるたんの「どうしようきみがほしい」のミョンス目線です←

切ないのって難しいww
切ないですか?これ

           title 休憩


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ