□結局愚かな僕は
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暗闇の中、ふと目を覚まして

薄く目を開く。




真っ暗で静かな部屋に久しぶりに会えたゆいの

小さな寝息だけが

ゆったりと響いていて。


 


このまま消えてしまえそうだ



そう思った。


 

俺がいなくなれば


ゆいは俺を待ってる必要なんてなくなる。


ゆいは俺に縛られずに生きることができる。



俺のせいでゆいは苦しい思いをしなくても済む。


 


はぁっと大きく溜め息を吐いて

上体を起こして窓からまだ暗い空を眺める。



そのせいでかさかさと布団の擦れる音がして

ゆいが小さくうなった。



 


起こさないようにとゆいの髪をゆっくりと撫でる。

 

「....うひょなぁ」



俺の名前を寝言で呟きながら手に擦りよってくるゆい。


 


つんっと鼻の奥が痛くなって


 

何故だか涙が溢れて。



情けない情けない。


そう思うのに止まらない。



 

「うひょん?」


少し冷たい指が頬に触れる。



「泣いてるの?」

「泣いて...ないよ」



俺の答えにそっかと答えると

ゆいも上体を起こして俺の頬にキスをした。



 

涙がしょっぱいよなんて言いながら

くすくす笑うゆいの首筋には俺がつけた印。


 

ゆいを手放したくない。


ゆいを俺だけのものにしたい。



 

布団を掛けただけの身体を引き寄せて


ずり落ちていく布団も気にせず


夢中でゆいの唇に唇を押し付けた。



 

 



結局愚かな僕は
(ゆいを自由にしてやることも
 自分の夢を捨てることもできやしない)


 
 

不安を消し去るように


ふたり吐息を洩らし

ふたり絡み合えば


 


ほら、熱い夜が更けていく。



 

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やらしめに書いたつもりなんです!←

悩める子羊、うひょな**
 





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