【長編】アンラッキーガール
□むだばなし
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「なーんてこと、あったねぇ。」
昼休み、同じクラスのチームメイトたちでわいわいがやがやしている。
まず話題になったのは、一乃と次女の事だ。
雷門のアイドル的存在である一乃と、あの南沢先輩の妹。
噂はすぐに、全校へと行き渡ったわけだ。
「でも、お兄ちゃんが一乃くんのこと狙うんだ。」
「それ嫉妬だろ。」
水鳥はそう言うと、なぁ蘭丸 と俺に話を振ってきた。
「俺は実際のところ、彼女ほしい。」
真面目に言ったつもりだ。
直後、速水が
「えぇっ、蘭丸くんっていなかったんですかぁ⁈」
「悪いか。」
速水に向かって、白目むいていると
「本気で好きになっちゃった子がいいと思うよ。」
一乃はそう笑った。
て、ことは
「一乃くんっ!」
顔を真っ赤にした次女が、かすかに一乃をみつめていた。
懸命に冷やかす水鳥は、また俺に振って 盛り上げる。
「? 霧野」
「あ、神童」