蒼の死神

□第十幕
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「ではこうしよう。キリト君。欲しいモノは勝って手に入れよ」

 メアは目を丸くした。

 噂に聞いていたのと違う………

「明日、75層で私と君がデュエルを行う。
 それに勝つことができたら、アスナ君を連れていくことを認めよう。

 だが、負ければ君が血盟騎士団に入るのだ」

「ちょっと待ってくだs「いいでしょう、望むところです。」

 アスナが何かを言っているのにも関わらず、キリトはデュエルを受諾した。





「も〜っ!!!バカバカバカっ!」

 55層のグランザムの大通り。

 アスナはキリトに向かって怒っていた。

「あ、つい、売り言葉に買い言葉ってやつで………」

 キリトの言い訳も虚しく、メアの細められた目には敵わない。

「私、明後日用事あるんですけど。
 明日勝たなかったら、もうアスナさんと組む機会無いんですけど。」

 メアが若干頬をぴくつかせながら言うと、キリトは頭を抱えた。

「明日、あんたが勝たなかったら、私、多分もうあんたらと会うことありませんよ?」

「なんでだよ………」

「明後日からなんか勝手に組まされたパーティー、なんかしんどそうなんですよね………。
 全体的なレベルも低そうだし………
 でも、頼まれたら断るってわけにもいかないし………」

 そう言ったメアの目は、どこか上の空だった。

 それにアスナもキリトも気づいていなく。

「お人好しが。」

「はぁ?」

 キリトが溢した言葉にメアがキレ気味に眉を上げるなか、アスナがため息をついた。

「とにかく、明日、キリト君には勝ってもらわなくちゃいけないわ。
 せっかくあなたたちとパーティー組んだのに、すぐ解散なんて嫌ですもの。」

「そうそう。キリト、負けんなよー。
 とりあえず、明日は見に行くから。………面白そうだし。」

「はいはい。」

 メアの瞳に押しきられたように、キリトは頷いた。
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