蒼の死神
□第九幕
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二人のソードスキルは、上手く相手のウィークポイント(弱点)に当たったらしく、派手なライトエフェクトを撒き散らした。
「そこかっ!」
メアは息を止め、さっき二人が当てた場所にソードスキルをぶちこむ。
またド派手な光を撒き散らして、相手のHPバーがガクッと縮んだ。
そこで、ボスの攻撃を真に受け、後ろに転がる。
「いってぇ………」
ふと確認すると、HPバーはイエローゾーンに突入していた。
ちょっとヤバい………
振り上げられたボスの腕を転がって避け、取り出したポーションを飲み干す。
視界の端でHPバーが安全圏まで回復するのを見届けて、前に向き直る。
アスナ達も攻撃をボスに当てたようで、ボスのHPはイエローゾーンに達していた。
「よし、いいぞ!」
そんなキリトの声が聞こえ、メアはそちらに顔を向けながらボスめがけて走る。
そして、カコーン とボスの攻撃を弾くと、叫ぶ。
「スイッチっ!!」
「ああっ!!」
キリトの声が耳に入ると同時に、後ろへ飛ぶ。
メアと入れ違いに前に出たキリトは、何故か片手用直剣を左手にも装備していた。
メアはキリトの妙な姿に首を捻る。
システム外スキルかな?私も短剣でやったことあるけど………
そう思いながら鎌を構え直し、キリトの戦いぶりを見る。
キリトはまだメアが見たことの無い技をボスの弱点に両手に持った剣で当てている。
それはどうにもシステム外スキルとは思えない、システムに動かされた動きであった。
メアは呆然とそれを眺める。
そして、技が終わって地に降りたキリトを見て、感嘆の声を漏らした。
なんと、50連撃。
そんなに連続で攻撃する技は、凄く珍しい。
しかし、メアは、ボスの異変に気づいた。
「キリト!!後ろっ!」
そう叫びながらキリトの方へ走る。
「え?」
もう、ボスを倒したと思っているキリトはメアの動作に首を傾げた。
そして、ボスの攻撃が、見事キリトに命中する。
キリトは吹き飛ばされた。
まぁ、ポリゴンが砕ける音は鳴ってないから、生きてるでしょう。
冷静にそう考えながら、メアはクイックリー・デスをボスに当てた。
ボスのHPバーが吹き飛び、青いポリゴンの欠片となって霧散する。
勝った………
そう感動に浸っていたが、
「キリト君っ!!」
アスナの甲高い声で、その感動は打ち消された。