蒼の死神

□第二十幕
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「すまないが、メアというプレイヤーを知らないか?」

 メアが47層についた頃。

 第4層で、キリト達は聞き回っていた。

「あ、そういえば、知ってるよ。」

 キリトがさっき話しかけた、黄色と緑色のフードを被ったプレイヤーが答える。

 どうやらそのプレイヤーは情報屋らしく、手に持ったメモを見ながらいった。

「35層でデュエルして、相手を一瞬で倒しちゃった子かな?」

 キリトはコクりと頷く。

「多分それだ。そいつの武器とかは分かるか?」

「えーっと………」

 情報屋はページをペラペラ捲りながら言う。

「鎌だって。そんなスキルあるんだねぇ。
 あ、鎌といえば、巷で噂の最強プレイヤーかな?」

 その言葉を聞いて、キリト達三人は顔を見合わせた。

「35層、な。分かった。有り難う」

 キリトは情報屋にそう告げると、二人を引き連れて走り出した。


「探されてるねぇ、死神様。
 御愁傷様。」

 情報屋は誰に話すでもなくそう呟くと、どこかへ去っていった。







 そして、35層。

「なあ、メアっていうプレイヤー、知らないか?」

 キリトが声をかけた、中層レベルのプレイヤー二人は、少し首をかしげた。

「メア?そんなプレイヤーいたか?」

 顔を見合わせる二人のプレイヤーにキリトの後ろから、ヒビキが言う。

「どうやら昨日の夜、この町でデュエルしていたそうなんだが。」

 その二人は思い当たる事があるように手をうった。

「なにか知っているのか!?」

「俺ら、遠巻きに見てただけだからなぁ。
 なんか黒っぽいローブきたプレイヤーとアンダスさんが戦ってるやつじゃない?」

「アンダスさん?」

 キリトは聞き慣れない名前に首をかしげる。

「あ、ああ。この辺で有名な女の子をパーティーに熱心に勧誘していた、両手剣プレイヤーです。
 どうやら、その子がそのローブの人と組んでるの見て、カッとなっちゃったらしいです。」

「そうか………
 で、そのアンダスさんはどこにいるのか知っているか?」

「さぁ?そこまでは知らないっすね。」

 そう目の前の一人は言うと、もう一人が付け足す。

「でもその子―――シリカっていうんですけど、どうやら今朝、転移門からどっかの層に行ってたのを見ました。
 だからもうこの層には居ないと思います。」

「そうか………………
 ありがとう。邪魔したな。」

 キリトは再び町のなかを歩き出した。
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