人魚姫

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「これがここ16年ほどのこの島の差別との戦い。そして魚人海賊団の成り立ちじゃ。

お前さんの故郷を苦しめたというアーロンは、つまりわしの弟分なんじゃ。

あいつが何か仕出かせばどこへでもわし等が飛んで行くつもりじゃったが、

アーロンは近くの海軍を買収し、海軍本部に情報が届かんように、手を廻しておった。

結果、お前さんや多くの人々を苦しめてしまった。」



「えっ…」



ジンベイはルフィの仲間のナミに深々と土下座をした。



「責任を感じとる。」

「そうか。じゃあてめェ腹切れ!!」

「サンジっ!?」

「死んで詫びを入れろ!それでも許す訳じゃねェが、切ったらナミさんの気も紛れる。」


サンジ…ナミを想って…。


「やめて!サンジくん!」

「え…しかしだなナミさん!奴等がナミさんにしたことを考えれば…」

「それとは別の話よ。聞けば、まったくこの人に悪意は無かったじゃない!」

「ナミさん…」

「なんなりと処分は受ける。お前さんの気の済むように…」

「やめて。私が嫌いなのはアーロン。」


ナミって優しい…。そう感じた。


「とにかく、あんたがアーロン一味の黒幕じゃなくて良かった。

だってルフィの友達なんでしょ?

確かに、アーロン一味にはひどい目に遭わされたけど、そんな酷い渦の中出会った仲間もいるのよね。

全部繋がって、私が出来てんの。魚人だからって、恨みはしないわ。

だから私の人生に勝手に謝らないで。

捨てたもんじゃないのよ?今楽しいもん!」




「ルフィの仲間…良い人ばっかり…」


ナミを思って、ジンベイを責めるサンジ。

ナミは優しいし、強い。


「ぅ…ぅ…なんちゅう勿体無い言葉…忝ぃ…ぅ」

「ニュ〜ナミ〜!」

「ジンベイ…」


私も涙が出てきてしまった。

どうしてただろう…でも涙はなかなか止まらなかった。
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